2023年02月19日
トリーター:笠川

職業病なのか、河口沿いや橋などを通過する際、おもむろに水面を覗き込む癖があります。
水があると覗かずにはいられないのかもしれません。傍から見たら、何か落とした人か、気分でも悪い人に見えますよね。そしてさらにおそらく、何もいないなぁ~とか独り言を言っていることでしょう。ついつい、見てしまう、探してしまうことが多々あります。

現在、深海Ⅰで展示をしているヨコヤホンヤドカリの背負う貝殻にはポリプが付いています。 3個体いて、小さな個体は殻全体に、大きな個体は、ひとつはイソギンチャク、もうひとつは、小さい個体とはまた違うポリプと最近イソギンチャクもつけています。まだはっきりとした種の同定ができていないので、今後も観察し続けます。

ヨコヤホンヤドカリヨコヤホンヤドカリ

クラゲ担当になり、ポリプというものを知ってからは、いろいろなものをじっくり見るようになりました。一見、ごみかすのように見えたものが実はポリプだったりします。
ポリプは、海で、この種類のポリプを探す!となると、至難の業ですが、よくよく見るといろいろなものに付いていることがあります。石、岩、海藻(海草)、貝、貝殻などなど、魚や甲殻類などにも、そして我々、人間社会から出たごみなどにも付着しています。

現在、クラゲサイエンスで展示をしている深海のクラゲ、ナデシコクラゲは、もともと研究調査中に回収した深海底にあった空き缶についていたポリプから増やしたものです。深海つながりでいうと、深海Ⅰで展示をしている鯨骨についているハオリムシにもアマクサクラゲのポリプらしきものが付いています。各水槽隅々まで見ると、実は種類はわからなくともいろいろなところにポリプがついていたりします。

ナデシコクラゲナデシコクラゲ

ぜひみなさんも、動くものだけでなく、動かないもの、普段見ないようなところにも目を向けて、じっくりと観察してみてください。きっと、思いがけない発見や出会いがあると思います。一度素敵な発見に出会うと、そんな見方が癖になってきます。

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