2023年04月13日
トリーター:佐野

ウミガメライダー

過去に何度かトリーター日誌でも紹介されておなじみのクラゲライダー。イセエビの幼生などがクラゲにくっ付いて隠れ家にしたり、移動したり、果ては食べてしまったりすることでクラゲ界隈では有名です。
某有名アニメ映画の世界一有名であろうアオウミガメも、作中で甲羅に子ガメを乗せていたりしますが、実際のウミガメもいろんな動物のすみかになっています。

海岸に漂着する流れ藻や漂流物に、エボシガイというフジツボの仲間がくっついているのですが、野生ではアカウミガメの餌となっています。そのため、現在飼育中のアカウミガメの子ガメたちのために、クラゲ採集に行ったトリーターがついでに拾ってきてくれました。
そのエボシガイと一緒にくっ付いていたのが、オキナガレガニというカニ。3cm程の小さなイワガニの仲間で、同じく流れ藻や漂着物に乗って生活します。このカニも一緒に子ガメの水槽内に入れてみました。
以前小さいサイズのエボシガイを入れたときには食べていたのですが、今回はサイズが前回の3倍くらいの大きさだったためか、最初に水槽内に入れたときにはできるだけ視界に入れないように泳いでいる子ガメでした。
食べないかぁーと思ってほかの作業に移り、しばらくしてから戻ってきたら、こんなんなっていました!

背甲に乗るカニ背甲に乗るカニ

ついてる!カメに!

背甲側にくっ付いていましたが、明るいのが気になるのか、すぐに腹甲側へ移動します。
実はこのカニ、野生のウミガメにも乗っているウミガメライダー。野生ではおしり附近についていることが多いそうなのですが、飼育下でもおしり附近に付きました!

おしりからのぞくカニおしりからのぞくカニ

この大きさのアカウミガメについているかどうかは不明ですが、今回はばっちりくっつきました。5本以上肢がある動物が得意ではない私ですが、おしりからちらっとのぞくオキナガレガニに、うかつにもちょっと胸キュンしました。
しばらく観察しているうちに、オキナガレガニは水面を走るように元のエボシガイの浮きへ戻っていきました。およそ 10分ほどの出来事でした。

お母さんウミガメにくっ付いたままお母さんウミガメが産卵し、産卵巣に落ちたオキナガレガニがウミガメの卵と共に発見されることもあるようです。
現在そのオキナガレガニをウミガメの浜辺 1F 子ガメ水槽にエボシガイとともに展示しています。完全にカニ任せになりますが、運が良ければウミガメライダーをご覧いただけるかもしれません。

そんな展示をしていたら、先輩が海外で建造予定のウミガメ型の水上移動都市のネタを教えてくれました。6万人を収容し、全長 550mもあるのだとか!
完成した暁に上陸すれば、我々もウミガメライダー? ものすごい構想です。

ウミガメの浜辺

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