2023年04月14日
トリーター:石川

きょうは、ウタさん、キクさん、コンペイさんの「キク」の誕生日

フンボルトペンギンの「ウタ」、「キク」、「コンペイ」は3羽とも 1999年 4月生まれで、4月14日は「キク」の24歳の誕生日です。

フンボルトペンギン「キク」フンボルトペンギン「キク」

フンボルトペンギンは2つの卵を産卵し、2つともに温めて、2羽のヒナを育てることができるというのが一般的な話です。
しかし、私がペンギンを担当してから番(つがい)のペンギンが、2羽のヒナを育てあげるまでには7年かかっています。その最初に育った2羽が、「キク」と「コンペイ」なのです。
「キク」の親は「キク」と「コンペイ」を産卵するまでに5回ヒナを育てていますが、それまでは卵を2つ産卵しても、1羽しか育ちませんでした。

もちろんこれはペンギンだけの問題ではなくて、私たちのハード面、ソフト面も十分にかかわっているのですが、それにしてもこれだけの年数がかかったということは、とても大変なことなのだと思うのです。
「キク」の親は「キク」と「コンペイ」を育てた翌年にもう一度2羽を育てようとしましたが、2羽とも育たず、そのすぐ後に母親が、そのあとを追うように父親が亡くなりました。
当時、ほかにも番(つがい)がいたのですが、やはり6回目にしてようやく2羽を育て上げ、その後親は健在だったのですがそれが最後の子育てとなってしまいました。


現在ペンギンプールでは、「フク」と「マーチ」が子育てをしていますが、雛の体重は3kgを超えてきています。

(左から)子育て中の「フク」、雛、「マーチ」(左から)子育て中の「フク」、雛、「マーチ」

これくらいになると、通常成鳥1羽に与える餌の量は、1日に 500gほどですが、最近では「フク」、「マーチ」の給餌量が合わせて1日 2.0kgを超えることもあり、「マーチ」はやや体重増加で自身の身になっている量が多いようですが、「フク」はほとんど体重増加が見られません。その分、すべて雛へ与えていることになります。
これは1羽のヒナを育てている状況なので、これが雛2羽になるのですから、考えただけでも胸焼けしそうです。

図鑑で読むと普通2羽のヒナを育てると書いてあることもありますが、そんな簡単なもんじゃないなあとつくづく実感したのを覚えています。
野生でも魚が豊富でないと2羽が育つのは困難なようで、以後お客さまに聞かれると、2つの卵を産みますが、2羽が無事に育つには良い条件がないと難しいようですとお答えしています。

当時の経験を踏まえて、若齢の番(つがい)では2羽のヒナの子育てを始めから無理して育てさせず、同じ時期に産卵し、無精卵やうまく育たなかったペンギンがいれば、代理親として育ててもらったり、そういったペンギンがいなければ、ヒトが代理親になることも踏まえて、負担を軽減しています。
ただ、本来はできることでもあるので、十分子育ての経験を積んだのち、両親の体力のある時期に2羽のヒナを育てることもおこなっています。

ヒトと一緒で、夜に授乳で起きているお母さんが、お乳をあたえながらうとうとしてしまうごとく、2羽の子育てをしている親で、雛が寝ているときには、親もこのときとばかりに熟睡しているようで、そーっと近づくと、まったく気づかずに、うとうとしていることがよくあります。「キク」たちが生まれた 1999年は、我が家にも長男が生まれた年なので、親鳥たちにやたら共感した記憶があります。

「キク」は自身の子が3羽いるのですが、20歳を超えてからの子育ててでしたので、自身で育てたのは、うち1羽だけで、ほかは代理の親に育ててもらいました。
先ほど紹介した現在「フク」と「マーチ」が育てているヒナは「キク」の子なんです。

「キク」の子「キク」の子

2羽で育てられても、「キク」は 24歳を超えて元気に暮らしています。フンボルトペンギンでも高齢の域になってきますが、これからも元気でいてほしいなと願っています。

「キク」「キク」

ペンギン・アザラシ

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