イルカの顔をよく見ていると、特に何かを訴えていると感じることがあります。
眼の開き方や顔の上げ具合、全身の力み方など、変化しているポイントはたくさんあります。
ちなみに、朝の見回りの際のバンドウイルカ「ミレニー」のこの顔は何でしょうか?
正解は、「ごみ拾ってきたよ!」の顔。
噓っぽく思えるでしょうが、私には口先を尖らせて拾ってきたものをアピールしていると分かります。
大きなビニール袋などなら口からはみ出していて一目でわかりますが、今回はどこに何を持っているのか、分かりません。
この場合の「ミレニー」は、たいてい口先に挟んでいることが多いので、口を開けさせてみると、下顎の先端にあったのは5mmの“鉄さび”でした。
くわえるというよりは、上下の顎で挟んで持っているような状態。でも、見回りで人がくると「見て見て!拾ってきたよ!」と言わんばかりの顔をして寄ってきてくれます。
そんな「ミレニー」には、ありがとうの言葉とともに鉄さびを回収して、代わりに氷をあげます。
200kgを越える体や人よりも大きな口をしていながら、5mmの鉄さびを器用にも口先に挟んで持ってくるイルカの器用さには驚きもあります。