みなさん こんにちは!
4月18日から4月21日に、三重大学練習船「勢水丸」に乗船しました。今回は、三重県の沖にある熊野灘という場所の深海生物の調査に同行させていただきました。
乗船時の詳しい内容は、ぜひこちら [ 勢水丸 三重県沖生物採集(3) ] をご覧いただきたいのですが、今回の調査では オオタルマワシという甲殻類の仲間を採集することができたので、“えのすい” へ持ち帰りました。
オオタルマワシは、ヒカリボヤやサルパといった浮遊生活を送るホヤの仲間を上手に加工して樽型の巣(タル)を作り、身を守ったり、子育てをおこないます。
しかし、タルは何日か経過するとぼろぼろになってしまいます。タルの材料であるヒカリボヤやサルパは採集や飼育がとても難しく、タルを常に用意するのは実はかなりたいへんです。
そこで、なにかタルに使えるものはないかと探していたところ、100円ショップでいい感じの大きさの指サックを見つけました。
早速使ってみたところ・・・
ばっちり入ってくれました!
もう少し工夫すれば、本物のタルのようにくるくる回してくれるようになるかもしれません。オオタルマワシに満足してもらえるようなタルを提供できるように、試行錯誤を重ねたいと思います。
さらに今回は、お母さんオオタルマワシがタルの中で赤ちゃんを育てていたので、ぼろぼろになったタルを回収して、赤ちゃんを育ててみることにしました。
オオタルマワシの仲間は、体がワックス(油のようなもの)でコーティングされているので、水面に上がってきてしまうと小さな泡がついてしまいます。深海には泡が出るような場所はほとんどないので、極力泡がつかないようエアレーションなどはせずに飼育してみることにしました。
生まれたばかりのときは、泳がずにタルにくっついて生活していましたが、2週間ほどで親と同じ形になり、水槽内を自由に泳ぎ始めました。
成長したオオタルマワシの赤ちゃんはまだ1cmほどで、タルに入るにはもう少し時間がかかりそうですが、親子でみなさんにご紹介できる日がくるかもしれません。
大切に育てていきます!
関連日誌
[ 2023年04月18日 勢水丸 三重県沖生物採集(1) ]
[ 2023年04月19日 勢水丸 三重県沖生物採集(2) ]
[ 2023年04月20日 勢水丸 三重県沖生物採集(3) ]