2023年05月13日
トリーター:今井

金魚展「紫陽花金魚」への道2

先日の大雨で、飼育池に冷たい雨水が大量に流れ込み、愛好家M氏宅のギンギョ(金魚の一品種)が白点病になってしまいました。急激な冷え込みは確かに白点病を誘発するようです。
予定では、本日中に水族館に搬入しないとなりません。
病魚を移動したくありませんので思案していると、M氏は落ち着いたようすで並塩をドボッと投入してから、別の個体を用意してくれました。
厳選された雄たちは、まだ繁殖を狙っていたようで、お腹の大きな雌と一緒に入っていました。見栄えが良いため、こちらとしてはラッキーなのですが・・・。

発情中といわれた雄たち発情中といわれた雄たち

しかし、「えー!こっちの方が病気じゃない!」と思ってしまう程、鰭が赤く染まっています。産卵行動にともなって現れた発赤は、雌と離して丸一日経つと消えて行きました。
「ギンギョは激しいからね~。」と、またもや落ち着いたようすで4尾取り上げてくれました。
水槽内で産卵行動がおこなわれると、精液などで水が腐ったり、卵を食べてお腹を壊したり、粘着卵が水槽の内側にびっしり付着して後始末が大変です。

当館では濾過した天然海水が利用でき、薄めて使うと良いトリートメントになることを経験しているので、赤い鰭でもまあ大丈夫だろうと持ち込んでまいりました。

状態の良いときの雄状態の良いときの雄

さて、搬入したての金魚は、餌を与えなくても1週間以上糞をし続けることがあります。細長くて半透明の糞の場合は、お腹を壊さないように餌を与えません。
また、餌を与えなくても、お腹を壊した個体がいると水が臭うのですぐ分かります。
茶色くてポロッと崩れるような糞をするまでは、濾過フィルターに頼らず、水換えを怠らないようにしています。
ギンギョ(銀魚)の名にふさわしい輝く姿を、みなさまにご覧いただける日が待ち遠しいです!

ちなみに、被害の無かった稚魚槽では、14mmくらいに成長した稚魚が元気に泳いでおりました。

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2023年04月25日 金魚展「紫陽花金魚」への道1

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