2023年06月30日
トリーター:今井

7月になりましたが「紫陽花金魚」まだやってます!

季節ごとに展示テーマが変わる「テーマ水槽」、今回は5月28日~7月10日までの展示となっています。
6月の後半になってからは、次々と展示にご協力いただいたみなさまがお越しになりました。

「吉野養魚場」の吉野さんには、「おうごんもよく泳ぐようになってますね!」と言われ、「こがねチョウビのこと・・(;'∀')」だそうですが、まあどちらでも呼び名は気にしませんとのことでした。

コガネチョウビコガネチョウビ

私が気になったのは、「どの金魚も少し瘦せたようだ。」という言葉でした。
確かに養魚場の池のように与えられる餌の他にも、自然と湧いてくる微小生物を気ままに食べられる環境ではありませんので、少し痩せたかも知れません。
ただ吉野さんからは、「言葉で捕捉しないと、魅力が分かりにくいような金魚を作出したつもりはないです。」と、今回5品種も展示にご協力いただいておりますので、その魅力を損なうわけにはいきません。今更ながら給餌量を調整しました。
また、トリーターとしても、ご覧いただくだけの展示ではなく、できる限り金魚に快適な環境を用意するのが役割りなのです。
停電でエアーレーションが止まっても、しばらくは大丈夫な展示個体数にとどめたり、飼育水の溶存酸素量が多くなるように清澄な飼育水を維持したりしています。ちなみに、水槽の設置場所の気流も大切なため、裏側では2台の扇風機が回っています。
ところが、給餌量が増えたことで、排泄物と濾過能力のバランスが崩れてしまいました。
そこで、一旦濾過能力が判断しやすいスポンジフィルターに切り替えたりしたのですが、ここ数日間は水質維持の対応に追われ大変でした。

そのあとには、ドラゴンスケールオランダの輸入に尽力された「トロピカルフィッシュ佐野」の内田さんがご来場されました。こちらは小売もされる水槽飼育のプロですから、食事も兼ねて論議させていただきましたよ。水族館とは違って、市販の餌や薬についてのノウハウを教わることができました。

内田氏内田氏

さらに、本日は展示解説でお世話になった「波俳句会」のみなさまもお越しになり、実際の展示をご覧いただきました。
「金魚の顔って、こんなにかわいいんだね!とくに目が可愛いね!」と仰っておりました。本場中国では「眼」だけでも、彩りや形、大きさ等でいくつにも分類されているので、さすが俳人は良い所にご注目されると感心させられました。
また、意外にも貴世先生はワキンを 16年以上飼育されたご経験の持ち主で、金魚に名前を付けてあげることが長寿にする秘訣かもしれないとのことでした。その個体は年を経るごとに赤みが薄れ、とうとう真っ白になってしまったそうですが、海外での長寿記録の金魚の記事の内容にも合致していたお話しに、またもや俳人はさすがだなと思いました。

その他にも、「解説板」が良くできているとお褒めに預かりましたが、こちらは当館のデザインチームが作ったもので、本当に毎回上手に作るなと私も感心させられています。

さて、「波俳句会」からは、70ページほどの小冊子「波」のバックナンバーをいただきましたので、期間中は無料配布しております。数に限りがございますので、興味のある方はお早めにお持ちください!

小冊子「波」小冊子「波」

そろそろラストスパートをかけて、7月2日からはバックヤードで準備をしている個体の茶ドラゴンや赤ドラゴンも展示予定です!吉野さんが新たな渋い品種を作出する過程で出現した個体だそうですよ。

右側が茶ドラゴン右側が茶ドラゴン

内田さんは既に紅白(更紗)の派手で大きなタイプ

ドラゴンジャンボドラゴンジャンボ

を流通させているようですが、昔からあるモザイク透明鱗やパール鱗、近年のきらきら鱗に次いで、新たなバリエーションがまた一つ増えたことは、金魚好きには楽しみなニュースですね!

テーマ水槽

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