2023年08月03日
トリーター:山本

オオタマウミヒドラのポリプ

この間、ウラシマクラゲのポリプが初めてとれて、嬉しさのあまり日誌で紹介させていただきました。
実は、このポリプが1か月以上経ってもまだ維持できており、数日に一度新しいクラゲを遊離しています。このままずっと維持ができればいいのですが…!

話は変わりまして、最近ウラシマクラゲとは別にもう一種類、私が初めてとれたポリプがあるのです。それは「オオタマウミヒドラ」です。

オオタマウミヒドラオオタマウミヒドラ

大きくなっても 2mmほどの小さいクラゲで、江の島では春ごろによく見られます。ぴょこぴょこ忙しそうに泳いでると思ったら、急に止まってふわっと触手を広げたり、光を当てるとみんな一斉に集まってきたり、「脳みそ」が無いとは思えないような行動が見ていて飽きません。私の大好きなクラゲのひとつです。本種のポリプは遊離するクラゲよりもずっと大きく、和名がポリプに対してつけられたほどです。

オオタマウミヒドラのポリプオオタマウミヒドラのポリプ

10cmほども伸びる長ーい柄の先にぽんぽんが付いたこんな形をしており、江の島の磯場を探せば大体見つけることができます。手ごろな石などについていれば、持ち帰ってクラゲサイエンスでそのまま展示することもありました。
そんな本種のポリプを、今年はようやく繁殖によって手に入れることができたのです!

これが 3か月ほど前のようす。まだ長さも 3mmほどです。ポリプが食べられるサイズの小さな餌を根気よく与え続け、今ではこんな姿に。

見るたびに大きくなってる(気がする!)のが面白く、観察が毎日の楽しみになっていました。最近はこのポリプからたくさんのクラゲが遊離してきており、現在クラゲサイエンスで展示しているオオタマウミヒドラはすべて“えのすい”生まれの個体です。手をかけた分やっぱり愛着がわきますね。

最近苦手だったポリプ取得がだんだんできるようになってきた気がします。一つずつレベルアップして、いつかは「どんなクラゲのポリプもとってみせます!!」と、自信を持って言えるようになりたいな。

クラゲサイエンス

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