今年の 4月21日で 3歳になったバンドウイルカの「ミライ」。先日より母親の「シリアス」と別のプールでの生活が始まりました。
3歳という年齢は母親と分けても問題なく、「ミライ」にとっては親離れ、「シリアス」にとっては子離れの時期となったのです。
母親と分かれると今まで飲んでいた母乳は飲めなくなります。ですが、「ミライ」はしっかりと魚を食べていたので、そこも心配ありませんでした。
そして、産まれて間もないころから母親以外のイルカたちと過ごす時間を設けていたので、どのイルカと一緒にいても「ミライ」は大丈夫。特に若い個体の「ニコ」や「リン」と一緒のプールになると、一緒になって楽しそうに泳いでいました。そういった背景もあり、「シリアス」と分かれてから最初に同居する個体は「ニコ」になりました。
プールを分ける当日、別々のプールになったらどんな反応になるのか、トリーターもやや緊張気味。今までやってきた練習通り、「シリアス」と「ミライ」が別のプールに分かれたあと、プールの間を仕切っている扉をいれました。
最初はもちろん二頭ともお互いを気にしていて、扉越しにじっと見ていました。
ですが、こちらが思っているほどその時間は長くなく、「ミライ」に関しては「シリアス」が見えなくなるプールにもトリーターと付いてきました。
一緒のプールにいる「ニコ」と喧嘩することもなく、仲良く泳いでいてトリーターも一安心。
どちらかというと、「シリアス」の方が「ミライ」のいるプールの方を気にしており、数日間はトレーニングの時間でもちょくちょく「ミライ」が見える扉の方へ行くことがありました。今はもうそんなこともなく、「シリアス」も無事に子離れできました。
「ミライ」の親離れは思ったよりさらっとしていましたが、「シリアス」の子離れの方が少し時間がかかりましたね。これは人でも同じ!?
「シリアス」は 3年間、ずっと子育てを続けてきてくれました。「ミライ」も大きく成長して、これも「シリアス」のおかげです。子育てをするということは、母乳も与え続けていたということです。母乳を作るにはものすごいエネルギーが必要で、「シリアス」は他のイルカの約1.5倍の量の魚を食べていました。本当に「シリアス」には頭があがりません。
ありがとう、「シリアス」。
そして、「ミライ」の育児は新しい取り組みの連続でした。
生後間もない時期から隣のプールに移動したり、母親以外のイルカたちと早い時期から一緒に生活するようにしたり。群れで生活するバンドウイルカ本来の社会性を身に付けてもらおうと、「ミライ」が産まれる前から何度もトリーターや獣医で話し合って取り組んできたことが間違っていなかったと、親離れするこのタイミングでも実感しました。
とても大きな財産を「シリアス」と「ミライ」にもらったんだなと、しみじみ。
さぁ!
「ミライ」も「シリアス」も新たな生活の始まりです。
もしかしたらイルカショー「Wave~きみの波になりたい~」に参加することもあるかも!? みなさま、楽しみにしていてください!!
数日前から「ミライ」と一緒に生活する個体が「ニコ」から「リン」になりましたが、変わらず仲良くやっています!
最後は「ミライ」の写真をどうぞ!