寒い時季に屋外にある「さかなのもぐもぐプール」では、冷たい水に手を突っ込んで「魚のごはん」を与えるお客さまが極端に少なくなります。
また、ウグイも温暖な時季に比べれば、水温の低下により少食になっていますので、平日は給餌と摂餌の調整が取りやすいのですが、休日のある時間帯にお客さまが集中しますと、ウグイたちのお腹も食べ過ぎが心配です。また、お客さまにもウグイたちの元気にごはんを食べるようすをご覧いただきたく、今季はヒーターを入れて飼育水を暖めることにしました。しかしながら例年 9℃くらいまで下がるところを15℃くらいに抑えられる程度なので、お客さまにとっては、やはり水は冷たく感じると思います。

四季のある日本において、多くの生き物は冬の寒さを感じることで、翌年の繁殖が促されます。思い起こすと数年前に展示していた大型のウグイはきれいな婚姻色が、春から現われて秋までずっときれいだったのを覚えています。

さて、今年の春は鮮やかな婚姻色が現れるかどうか？ ちょっと心配です。
夜間に覗くと、体を休めているウグイたちは、暖かなヒーター付近の場所に集まっているようで、わざわざ寒さに身を投じようとする個体はいません。
厳しい寒さの後に輝くのか。なるべく順調な環境に留まるのか。
良かれと思ってすることと、自然に身をまかすこと。
予測できない人生の縮図を感じてしまいます。