2024年02月27日
トリーター:渡部

初めて出会ったクラゲたち

みなさん、こんにちは。
最近は、三寒四温という言葉の通り、寒さの厳しい日もあれば、春のきざしを感じるような暖かい日もありますね。江の島の海も毎日少しずつ変化しており、2月の中旬ごろからは見慣れないクラゲと出会う機会が増えてきました。今回の日誌では、私が初めて出会ったクラゲ 3種をご紹介します。

タマウミヒドラ属の一種タマウミヒドラ属の一種

採集時に見た時はオオタマウミヒドラかなと思いましたが、顕微鏡でよく観察してみると、傘の形や模様、口の形が違っていたので別の種類だということが分かりました。触手の付け根や口の近くが薄いレモン色でオシャレなクラゲです。見慣れないクラゲで図鑑にも載ってなさそうだったので、山本トリーターに見てもらうと「これはCoryne属(タマウミヒドラ属)の仲間だね」と一瞬で教えてくれました。本当に一瞬でした。山本トリーター、江の島のヒドロ虫で知らない種はいないのかもしれません。

軟クラゲ目の一種?軟クラゲ目の一種?

初めに見た時、何の仲間か全くわかりませんでした。ちなみにまだ分かりません。
形の良くない個体なのかなと思いつつ、飼育しているとたくさん餌を食べていました!
そして、だんだん傘にハリが出てきました。触手が増えていることなどから軟クラゲ目の仲間だと思いますが、それ以上は今のところ分かりません。傘頂や傘縁に茶褐色の粒々がたくさんありました。もう少し育ててみたいと思います。

エボシクラゲ属の一種エボシクラゲ属の一種

こちらは採集個体ではありませんが、バックヤードで飼育しているナデシコクラゲのお世話をしているときに見つけました。理由は分かりませんが、ナデシコクラゲが入っている容器に混ざっていました。観察してみると、傘に突起があります。この形、間違いありません。私が熱を入れているエボシクラゲの仲間です。しかし、普段見ているエボシクラゲとは違う種類のようです。
ナデシコクラゲのポリプは、深海の空き缶ごみから見つけたものを他の容器に移し、育てています。もしかしたら、エボシクラゲのポリプも混ざっていたのかもしれません。ということは、このエボシクラゲの仲間は深海性のエボシクラゲの仲間…? なんだか夢がありますね! 育てて種同定に挑戦してみたいと思います。


日々、採集に行ったり、クラゲのお世話をしていると、いろいろな発見があります。でもまだ分からないことばかりです。山本トリーターのようにどんなクラゲの名前も一瞬で言えるよう、たくさん観察し謎を明らかにして、みなさんに伝えられるようにしたいです。

毎日クラゲ採集では、レアなクラゲと出会えるかもしれませんので、ぜひ足を止めてじっくり観察してみてくださいね!

クラゲサイエンス

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