2024年03月01日
トリーター:黒川

棘皮動物に夢中 7 ウミシダは色彩だけでは分からない

みなさん こんにちは。
最近は寒暖差が激しい日が続きますね。

きょうは、沿岸水槽にいるウミシダについてです。
以前、八巻トリーターと一緒に相模湾に潜って採集したウミシダたちが水槽でくらしていますが、種類の分からないウミシダがいました。
それがこちらです。

私は、茶色と白色が混じった色をしているから「シモフリウミシダかな?」とずっと思っていました。
しかし、八巻トリーターに見てもらうと、「シモフリではないと思うけどな…」という回答が。
ええ~そうか~と思い、なんという種類のウミシダなのか調べることにしました。

早速、相模湾にくらすウミシダ類が載っている本を見てみると、ある衝撃の文章を発見しました。
簡単にいうと「同じ種類のウミシダでも、色や模様には大きな差があるからそれだけで種を同定する決め手にはならないよ!」とのことです。
そうだったのか…色だけじゃ不十分なのか…。
今まで図鑑と絵合わせをして種類の手がかりにしていたので、いきなり拍子抜けしてしまいました。
そして、さらに衝撃の文章が続いています。
「標本の多くはエタノールにつけられて色が脱色している場合が多いから、色の分からない標本でも同定が行えるように、この本では色彩の記述はほぼ省略して書いておくね!」
えぇ!! これはもういよいよどうすればいいのか…!!

とにかく、どうにか調べたいと思い、ウミシダで名高いとある方に写真を送って相談させてもらいました。
(※ウミシダ類に限らず、写真だけで生き物の同定を行うのはとっても難しいから、まずは自分でできる限り調べてから相談しなきゃ失礼なんだよ! 黒川!! と、過去の自分に伝えてあげたいです。)
写真というとても少ない情報から「たぶんこのあたりじゃないかな?」と、親切にも教えてくれました。ありがとうございます!!

大きなヒントをもらったので、ちゃんと種まで突き止めたい!
園山トリーターに協力してもらい、展示のウミシダの腕を一部切り取り、顕微鏡でポイントとなる場所を見ていきます。

続く…

RSS