2024年02月29日
トリーター:北嶋

幻といわれている超珍種の海藻が岩礁水槽に

生えてきました。ナガオバネ。
この赤くて長い海藻は、ポンプの吹き出しなどの水流が強いところに生えています。
長くて面白い海藻だよな、たまに生えるよな、という程度の気持ちで見ていたのですが、海藻に詳しい方に岩礁水槽の海藻を見てもらう機会があり、彼が興奮したようすで「これ! 幻の海藻のナガオバネですよ!!」と教えてくれました。
そんなに?! と思って調べてみると、見つかった情報がとても少ない珍種の海藻でした。
しかも、1927年の江の島産のものがタイプ標本(新種であることが記載されるために使われた標本のこと)で、江の島にゆかりの深い海藻だということがわかりました。

この赤い海藻は、以前からたまに岩礁水槽に生えてきて長く伸びたなーと思っているうちにいつの間にかなくなっているというもので、以前からあるのは知っていました。
珍しいことを教えてもらったのは去年で、そのときはまだ長さが短かったのです。長く伸びたら標本にしよう、と育つのをそっと見守ることにしました。
しかし、伸びる前に切れてしまったのか、忽然と消えてしまい、去年はそのまま生えてきませんでした。
先日、このナガオバネがまた生えてきたのを確認しました。今回こそは証拠の標本にしよう! まわりにも協力してもらい育つのを待ちます。

今朝水槽に潜ってみたら、そこそこ育った株が根元からきれいにとれて落ちていました。

こちらが標本にしようと並べたナガオバネの 2株。下に置いてる45cm定規より長いです。
軟らかいふさふさした細くて短い葉がたくさんあります。毎日見ている水槽の中でも、関心を持ってよく見ないと気付けないこういう発見がちょくちょくあります。
特に無脊椎動物、脊椎動物、植物などいろんな生き物がいる大きな水槽でよくあります。
こういうことがあるから、水族館は面白いんですよね。

2022年 6月のナガオバネ2022年 6月のナガオバネ

この海藻のレア度を何も知らない2022年 6月の画像に写り込んでいるナガオバネ。
右下のふさふさした長い赤い海藻です。海藻がたくさん活着しているのは水流をつくる大きなポンプです。

相模湾ゾーン

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