2024年04月11日
トリーター:加登岡

サメな話2

春休みも終わって新年度が始まりました。今年は桜が遅咲きで、入学式などの行事に桜が映えそうです。えのすいでも「BABY!BABY!BABY!えのすいの赤ちゃん展」や「毎日深海生物タッチ」などのイベントが終わり、「新江ノ島水族館 20 周年特別展」に向けてえのすいは動いております。

さてさて、今回もサメのお話です。
(前回:サメな話(2024/01/17)
毎日深海生物タッチでもみなさまに触っていただくことができたこのサメです。

深海ザメと言えばこの種類がまず出てくる「ラブカ」です。
いろいろなグッズになったり、その独特な風貌から、怪獣映画のモデルになったりとよく知られています。しかし、姿はよく知られていてもまだ生態は明らかになっていない謎の多いサメです。
私自身も生きた姿は、かつてとある水族館で胎児の展示をしているのを見ただけです。成魚の生きている姿はまだ見たことがありません。憧れのサメです。この時も、情報をキャッチして急いで見に行きました。

顔をアップで見ると、恐竜のような蛇のような、サメらしくない顔つきをしています。

大きく裂けたような口からは歯が見えています。サメの歯で有名なこととして、何度も歯が生え変わるという特徴がありますが、生え変わる歯はベルトコンベアのように後ろにスタンバイしています。ただ、このスタンバイしている歯は通常、表からは見えません。歯茎の中に隠れてしまっています。標本として顎だけ作るときも、歯茎部分の膜を切開することで露出します。ですが、このラブカは後ろの歯が隠れてなく、すぐに見えます。

また、よく見ると口の周りの鱗は体の鱗と異なり、大きく、肉眼でトゲトゲ隆起しているのが分かりました。

また側線もしっかりわかります。サメの仲間も硬骨魚類同様に側線がありますが、茶色いボディに白いラインがとても分かりやすいです。

印象的なフォルムからラブカと一目でわかりますが、同定するときの特徴としては、まず背鰭(びれ)の数を数えます。背鰭(びれ)が 1つか 2つかで、1つであればラブカ科かカグラザメ科、エビスザメ科に絞れます。
あとは鰓孔が喉元まで開いているかどうか、左右の鰓孔が近いかどうかで見分けることができます。
鰓孔の数が 6対なのも特徴で、日本近海のサメで 6対鰓孔が開いているのはこのラブカか、カグラザメ、シロカグラの 3種に絞ることができます。

ラブカ科のラブカとカグラザメ科のエドアブラザメの頭部腹面ラブカ科のラブカとカグラザメ科のエドアブラザメの頭部腹面

ここまで紹介したラブカを見たい方、毎日深海タッチは終わってしまいましたが、深海Ⅱににて、液浸標本を見ることはできます。写真の個体とは別個体のため、色が脱色してしまっていますが、特徴を観察することはできます。ぜひ、ラブカを見に来てください!

今回の日誌でサメの仲間の紹介はハナザメから始まり、エドアブラザメ、ダルマザメ、そしてラブカと 4種目の紹介です。
ほとんど深海性のサメですが、深海魚シーズンも終わりとなってしまいましたので、今年はどんなサメを紹介できるでしょうか?
そして、ネタはいつまで続くのでしょうか…
新たなサメとの出会いに期待しながら、本年度も頑張って行きます!

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