10月10日、漁港より底曳網漁に入網していた3匹の魚が搬入されました。
残念ながら3匹とも網でだいぶ擦れてしまっていましたが、一番元気がありそうだったのがホウライヒメジ。
厳しいだろうと感じていたのがミノカサゴとムツ。治療をしながらもミノカサゴとムツは時間の問題かな・・・ と思っていました。
ミノカサゴはお腹に空気も入っていたため、その処置を教わるためにSトリーターを捕まえました。
S:「魚入ったの?」
「そうなんですー、ホウライヒメジとミノカサゴとムツなんですけど」
S:「これムツじゃないよ」
!!!!!
さて、わたしは学生時代にアライグマなどの野生動物を、卒業後は飲食店で働いていたため水生生物の知識が非常に乏しいのです。
配属された班で学んだクラゲや南方系の魚種はだいぶ名前と姿が一致するようになりましたが、相模湾の魚は未だちんぷんかんぷんです。
そのためムツと聞いて、へー!これがムツなんだー!と受け入れていたのですが、Sトリーター、迷うことなく一瞬で種を同定!!!
「スミクイウオ」という魚だそうです。
さすが!!!
わたしが怪我だと思っていた体表の色は模様だそうです。
しかもこのスミクイウオ、“えのすい” ではまだ展示したことがないとか・・・ 。
しかもしかも、幼魚のときは浅瀬にいるけど成魚になると 150~500m くらいの深海に移動するとか・・・ 。
そのため底曳網漁でしか捕獲できないので、珍しい魚ではないけれど生きた状態というのもなかなか難しいのだとか・・・ 。
そんなことを聞いちゃあ 一気にミーハー心が疼きます。
君、そんなすごい子だったのね!
今回は幼魚なので網があがってくるときに浅瀬にいた子が一緒に入ったのかしら?
でも状態を見るにあすを迎えるのは難しいかな・・・ 残念・・・ と思いながら翌日出勤すると、弱々しく泳ぎながらも生きています。
さすがにあしたは無理かな・・・ と思って出勤すると、よれよれしながら生きています。
うーん、ちょっとあしたはきついかな、と思って出勤すると生きています。しかも、なんか、泳ぎしっかりしてきてない????
そしてきのう。
ちょー元気!!!!
めちゃんこびっくり!!!!
そうなるとなんて勝手なことでしょう。こちらもさらに愛が芽生えてきます。
ごはんもよく食べてくれています。身体はまだまだ小さく5cm くらい。写真を見てもらうとその小ささがよくわかると思います。大きくなると 35cm にもなるそうです。
こりゃあ楽しみだ、と思い きょう出勤すると・・・ 水槽にいない!!!!!?
え、、、、、、
と思ったら水槽のお引越しをしていました。なーんだ、よかった。
水族館のバックヤードの予備の水槽は限りがあるので、同じ水温同士の魚には同居をお願いしているのです。
よかったよかった、と午後にもう一度のぞいてみると、うぎゃーーーーー!!!! 同居個体にいじめられている!!!!( ;;)
慌てて仕切を入れましたが、体とヒレにダメージが・・・ 。
追いかけ回してつついていた犯人はこやつです。
ごみじゃないですよ。この豆粒みたいなやつが犯人です。
動きが早すぎて、何とか撮れた写真がこちら。
クロホシマンジュウダイの幼魚です。
体長 1.5~2cm くらいでしょうか? とにかくとても小さい子がスミクイウオを追いかけまわしていました。気が強いですね・・・ 。
ちなみに、隔離直後のスミクイウオが先ほどの写真に写っていたの気が付きましたか?
ここですここ。いじけてます。
とりあえず、また元気になってくれるよう、そしてなんとか “えのすい” 初展示に繋がるよう、大事に愛でていきたいと思います。
がんばれスミクイウオー!うぉー!!!