12月になりましたね。
今年は久しぶりに“えのすい”の入場口に大きなツリーが現れて個人的にうれしく思っています。
そして退勤時になると、わんこのお散歩に来た方々がみんなわんこをツリーの前に座らせて写真を撮っているので、かわいすぎてニヤニヤしながら横を通り過ぎています。お散歩しているみなさんありがとう。
そんな12月ですが、これから春まで、この業界では閑散期に入りお客さまの来場数がぐっっっと減る季節になります。“えのすい”も現在はゆったりと観覧しやすい館内になっています。
ですが、わたしには納得できないことが。
みなさん、今、“えのすい”ででっかいミノクラゲを展示してるの、知ってます??????? 展示してるんです! だいぶ前から!
個人的にはミノクラゲのために連日行列ができてもいいとさえ思っています。
なのに、なぜか、世間のみなさまの反応が、いまいちなのが、ほんとに、納得が!!! いかない!!! のです!!!
推しポイント1,
次はいつ展示できるかわからない!
“えのすい”にはミノクラゲのポリプがあるため、うまくクラゲを発生させられればまたミノクラゲ自体の展示はできます。できるんです。でもね?
こんなにおっきい個体はね!!! 次いつ展示できるか!!! 一切不明なんです!!! 5年後 10年後になってもおかしくないのです!!!
というのも、ご存知の方もいるかもですが、この個体はマレーシアへ出張に行った足立トリーターと渡部トリーターが採集してきた個体でして、BIGサイズのため輸送にかかる手間や必ず良い状態で持ち帰ることができるかわからないリスクから現地で何度も持ち帰る! 持ち帰らない! の議論を交わし、チャレンジして持って帰ってきてくれたものなのです。
もし現地で持ち帰るのをやめるという選択をしていたら今ここにはいなかったクラゲなのです。輸送中にトラブルがあったら今ここにはいなかったクラゲなのです。
まずですね、マレーシアへの出張が来年も再来年も必ずあるかわかりません。
ましてや、そのたった1回の出張で運良く状態のよいミノクラゲにまた出会えるのかどうかもわかりません。
だってね?わたしが魚類チームに来てから何度もエチゼンクラゲの採集展示の話が出ているのに、そしてエチゼンクラゲなんて国内の話なのに、この 4年間まだ1度も達成されていないんですよ?エチゼンクラゲ出現の情報を得てから現地に向かっても、もうその時にはいなくなっていた、とか、生物との出会いって本当に運とタイミングが必要なんです。
国内でもそんななのに、マレーシアのでっかいミノクラゲなんて!!! 次いつ拝めるやら!!!
ほら、一気に今見ておかないといけない気になりましたよね??
推しポイント2,
こんな大きな個体の展示は難しい。
もし、“えのすい”にあるミノクラゲのポリプからミノクラゲを成長させられたとしても、現在展示している野生個体ほどの大きさまではまず大きくできないでしょう。
なぜかというと、ここまで大きくできるほどのバックヤード設備がないからです。
例えば、植物も植木鉢の大きさに合わせて大きくなりますよね?
クラゲも同じく、巨大化するまで飼育できる水槽がなければ、なかなか野生個体ほどの肉々しさをもった大きさまで大きくすることはできません。
そのためこんなに大きな美しいミノクラゲが見られるのは今だけなのです。
傘の大きさが 30cmといってもイメージわかないかもしれません。
ボーダーコリーを抱えるような大きさっていったらイメージわきます?
ゴールデンレトリーバーのメス?
ふくふくのウェルシュコーギー?
伐採された大きな樹木の幹?
とりあえず大きいです!
推しポイント3,
とにかく美しい。
口腕、無数の触手、それらが絡まらずになびく姿、まさしく天女さまの羽衣のよう。見たことないけど。
なんとも言えない半透明の美しさ。
動画も載せちゃうんだからっ!