2025年01月09日
トリーター:今井

旅する「金魚」と「グッピー」

みなさん、こんにちは!
新年を迎えて、いくつか変わったところをご紹介します。

先ずは「さかなのもぐもぐプール」です。
お客さまの手から魚たちにごはんをあげるプールなので、大型の上部濾過槽を設置して、飼育環境を向上させました。濾過についてのうんちくは面白くありませんので私的にいわせていただくと、飼育水をよく揉んで叩いて、循環上の水質悪化を防いでくれています。水質が悪くなると、魚たちは警戒心が強まります。怖がらずに手からごはんを食べてもらうには、大きな障害となるのです。

また、お正月の期間限定で新品種の金魚「ベンテンオランダ」を、さかなのもぐもぐプールの水面上に配置した水槽で展示していました。昨年、作出された九州の養魚場から大阪の老舗金魚店でしばらく養生して、神奈川の当館までやってきました。
みなさまにご覧いただけるのもわずかな期間でしたが、再び大阪に戻る予定です。久しぶりに自然光の下で金魚を展示しましたが、特徴の大きな鱗(うろこ)が反射して魅力的でした。

また、当館では「えのすいの深海展」(2024年12月28日~2025年4月6日)が開催中で、オオグソクムシなどの深海生物の冷凍標本タッチができるようになり活気づいています。
そんな中、深海Ⅰにも伊豆にあるグッピー専門店から「キングコブラグッピー」が輸送され、お正月だけ展示をしていました。往年のグッピーファンがご覧になると、あまり黄色くないなと感じるかもしれませんが、最近は白っぽいのが主流になりつつあるそうです。

キングコブラグッピー (撮影 伊豆グッピーファーム)キングコブラグッピー (撮影 伊豆グッピーファーム)

金魚もグッピーも、干支の「巳」にちなんで期間限定の展示でした。
それにしても、小さな魚たちが無事に長旅を続けられているのは、現代のすばらしく発展した物流のおかげですが、水生生物の輸送には酸素パッキングという方法が広く普及しています。
酸素を注入した小さなビニール袋は片手に吊るして、大きなビニール袋は床に置いて、それぞれパンパン張った状態になるよう輪ゴムでしばって、輸送ケースに収納します。今回はわずかな移動なので空気にて、その道のプロにパッキングしてもらいました。

現在はベンテンオランダもキングコブラグッピーもそれぞれの故郷に戻っていますが、再度ご紹介させていただきました。

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