「生きて、浮遊して、拍動している、生の深海クラゲ、3種揃い踏み!!」をご覧になった方は、本当にラッキー。
でも、深海性の生物は光を嫌うものが多いのも事実。「見た」という大きな満足感はあるのだけれど、実のところ、暗くてよく見えなかった、という方も、もしかしたら結構いらっしゃるのではないでしょうか。よく見えるように明るくすると、寿命が縮む。かといって真っ暗だと寿命は延びるけど、それではそもそも意味がない…。深海生物の生体展示には、常に照度の問題がついて回ります。
さて、3種の深海クラゲですが、きょうから標本での展示を始めました。なんだ標本か、生きてないのか、とお思いかもしれませんが、なんといっても、ストレスなく、よく見えます! 写真や動画では伝わりにくい、サイズ感や、立体感を感じていただける、インパクトのある、なかなかカッコいい展示になっていると思いますよ!
クロカムリクラゲとクロクラゲ属の一種の、餌となった発光生物の光を外に漏らさない、胃袋の外皮の不透明感や、ヒゲクラゲ属の一種の、オレンジ色の生殖巣などを、じっくりご覧いただきたいと思います。
このクラゲたちは、2024年12月23日(月)に相模湾沖で実施された調査にて採集されました。本調査は、昨年末から公開中の「えのすいの深海展」に向けて、株式会社FullDepthと共同で行われたものです。
水中ドローンを用いて主にメンダコなどの底生生物を調査していましたが、潜行中にクラゲ類も多く観察できました。
いつか、クラゲメインの調査もできたらいいなと思っています。そして、知られざる深海クラゲをたくさん紹介していきたいと思います。(本当は、なにより私自身が、いろいろなクラゲを見てみたいのです!(笑))
「よく見える!深海クラゲの標本3種揃い踏み!」は、クラゲサイエンスでご覧いただけます。