2025年02月11日
トリーター:笠川

春がやってくる

先週は寒い日が続きましたが、今週は少し暖かくなるようです。
江の島では、まだ見ていないのですが、東京湾ではカミクラゲがたくさん見られています。カミクラゲが見られてくると春がきたなぁと感じます。

クラゲと聞くと、夏をイメージする方が多いかもしれませんが、決して夏しかいないというわけではありません。一年中、何かしらのクラゲはいます。ただ、やはり、春から夏、夏から秋と、多くの種類が見られ、個体も大きく成長したものが多いです。冬の時期は、それに比べると、種類は少なくなり、小さいものが多いです。ミズクラゲも今の時期は、小さなエフィラ幼生です。そんな中、触手を優雅にたなびかせて浮遊する大きなカミクラゲを見つけると心が躍ります。現在、クラゲサイエンスで展示していますので、ぜひ間近でご覧ください。

カミクラゲカミクラゲ

春繋がりでもう一種。
春とイメージすると、満開のお花を思い浮かべます。そして、そのまわりを楽しそうに羽ばたく蝶々。クラゲにもそんな蝶々を連想させるクラゲがいます。チョウクラゲです。現在、立派な大きな個体を展示しています。時折、豪快に力強く羽ばたくように動くようすが見られます。
また、よく観察してみると、特に朝方(午前中)、真ん中あたりに白いものが見えるかもしれません。(この場所は胃です。よってその真下が口になります。)白いものが何かというと、ごはんのシラスです。意外かもしれませんが、けっこうガッツリ食べます。透明で軟弱な体をしていますが、よく食べます。

チョウクラゲチョウクラゲ

最後に、チョウクラゲも含まれる有櫛動物つながりで、コトクラゲも紹介させてください。
現在、成体だけでなく、幼生も展示しています。とても小さく、まだ 3mmくらいです。少しずつ大きくはなっているかと思います。コトクラゲは、有櫛動物のクラゲの仲間ですが、その特徴でもある櫛板をもつのは、幼生のときだけです。成長とともに櫛板はなくなり、あの独特なうさ耳姿になります。

コトクラゲの幼生コトクラゲの幼生

カミクラゲ、チョウクラゲ、コトクラゲ、3種類紹介しましたが、本当にクラゲは多種多様で面白いです。
これから暖かい春がやってきます。多くの生き物たちが目覚め、植物は芽吹き、活動が活発になり、賑やかになります。海の中もこれからにぎやかになってくるでしょう。

クラゲサイエンス

RSS