こんなにも思いっきり走ったのは
どれくらいぶりだろうか
片瀬江ノ島の駅を降りると同時に
えのすいへと一目散に向かった
高鳴る鼓動や息づかいをなんとかこらえつつ
私はその部屋の奥へとそっと目を向けた
『よかった! 生きてる!!』
2024年 6月16日の早朝に、ミナミアメリカオットセイ「アポロ」の赤ちゃんが無事に生まれたと連絡があり、「アポロ」の赤ちゃんに初めて会った時の私のようすです。
私にとっても、“えのすい”としても初めてのミナミアメリカオットセイの誕生だったので、とても興奮していたのを今も覚えています。
「アポロ」に妊娠の兆候があり、超音波検査や血液検査、体温測定等を「アポロ」に協力してもらいながら行いつつ、摂餌や体のようすを日々観察し、赤ちゃんの誕生を心待ち遠しく望んでいました。
無事に生まれてきた後も、その小さな体でしっかりと呼吸しているか、「アポロ」の母乳をしっかりと飲めているか、トリーターみんなで見守り続けました。
「アポロ」と私が 4年前くらいにコンビを組むようになったころは、どちらかといえば何かいつも違うことがあればすぐに自分の部屋に帰ってしまうような臆病な性格だったので、無事に子育てできるか正直なところ心配ではありましたが、初めてとは思えないくらい落ち着いて子育てに励んでくれています。現在、「アトム」の体重は約19.0㎏にまで成長しました。