2025年05月05日
トリーター:佐野

むかしばなしといきもの

私事ですが、先日育休から復帰しました。 また動物たちとかかわれること、とてもうれしく思います。 懐かしくも新しい環境で頑張ってまいります!

さて、子育てをしていると同じ本を何度も「読んで」とせがまれます。 私自身、これまであまりむかしばなしに触れることがなかったのですが、子どもたちのおかげで知らなかったたくさんのお話に出会うことができました。 その1つが「こぶとりじいさん」。
タイトルだけは知っていたものの(それでも結構な年になるまで「小太りじいさん」だと思っていました…。)、お話の内容を知ったのは、子どもが生まれてからです。

先日、漁師さんの網にかかったセトミノカサゴがこんな状態でした。

搬入直後の状態搬入直後の状態

ちょっと鳥肌ですね… 。
このこぶはなんだろう? と見ていると、吉田トリーターと藤田トリーターが「コブトリジイサンですね!」と教えてくれました。
見た目がそれらしいからそう呼んでいるのかな? と思いました。
私たちはときどき、名前が長かったり、同定しきれない動物たちに愛称をつけて呼ぶことがあるので、今回もその1つかと思いました。
が。
「カイアシ類の仲間で本当に “コブトリジイサン” って仲間がいるんですよ!」
「しかもそのこぶの中にオスとメスが入っているんです。」
びっくりです。もう気になることしかありません。
それがこちら。

コブトリジイサン属の仲間(オス)コブトリジイサン属の仲間(オス)コブトリジイサン属の仲間(メス)コブトリジイサン属の仲間(メス)

オスはメスに比べ小さく、カイアシ類らしい形をしていますが、メスはカイアシ類とは思えぬ姿です。 最近、このあたりのセトミノカサゴにはよくついているそうです。 見た目にインパクトがあるので、付かれた方はさぞ苦しいのかと思いきや、結構このままでも生きられるようです。
寄生ではありませんが、同じように雌雄で一緒にくらすカイロウドウケツも中国のむかしばなしが由来として有名ですが、これら命名者の方々の小粋なセンスに拍手です。

現在 “えのすい” では「えのすい生まれの生き物展」を開催中です。 この1年で生まれた動物たちを紹介しています。 人もそうですが、動物たちも世話をしていると赤ちゃん期は長いようで、振り返るとほんのわずかです。 そんな期間限定のかわいらしさを堪能しにいらしてみてはいかがでしょうか?

きょうはこどもの日。すべての子どもたちが元気に過ごせますように!

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