2025年05月05日
トリーター:村井

シリヤケイカの赤ちゃん 1

みなさんこんにちは。 えのすいトリーターの村井です。
最後にイカ以外の日誌を書いたのがいつか思い出せなくなってきました。
今回はシリヤケイカの赤ちゃんのお話です。
ちょっと長くなるので何回かに分けてお話しようと思います。
最初は現在のようすを紹介します!

以前のトリーター日誌[ 2025年 3月 29日 えのすい20周年 ~生き物たちへの感謝~ イカ ] でちらっとお話ししましたが、シリヤケイカの赤ちゃんがついに展示デビューしました!!
現在開催中の「 えのすい生まれの生き物展 」の特別水槽で展示しています。

かわいいですね。
このイカたちは1月末から2月にかけて生まれました。
生まれた直後の大きさは8~10mmでした。
生後3か月で3cmほどに成長しました!
アオリイカもそうでしたが、数日見ないだけで一回り大きくなるぐらいものすごい速さで成長しています。
体長が大きくなるのもありますが、日に日に体に厚みが増してどんどん丸くなってきています。

せっかくなので摂餌するようすをスローモーションで撮ってみました!


餌のイサザアミをよく見て、普段は腕の中に収納している2本の触腕をすっと伸ばして上手に小さなイサザアミを捕まえています!

ちなみに通常速度だとこんな感じです。


早すぎてカメラで追いきれませんでした。

今は上手にイサザアミを捕まえられていますが、最初から上手だったわけではありません。


少し迷いながらイサザアミを狙っているので、イサザアミまで触腕が届かなかったり、うまくくっつけられずに逃げられてしまったりしていました。

さらにさらに、バックヤードではこんな動画も撮影できました!


何をしているかというと、アクリル面付近にいたイサザアミを捕まえようとしたところ、アクリルにベタっとくっついてしまったときのようすです。
べたっとくっついたまま餌を食べているので、普段は見ることができない口の動きがよくわかります。
イカの口はカラストンビと呼ばれるくちばしのようなもので獲物を咬みちぎって少しずつ食べていきます。
このカラストンビは下あごの方が長いので人間でいうと、とてもあごがしゃくれている感じですね。
動画でも中央の餌を少しずつかみちぎって食べているようすがよくわかります。
最後の方になるとカラストンビを目一杯開いたりぐるぐる回して、残った部分を食べようとしているようすが観察できます!
一生懸命口を開けているようすがとてもかわいらしいですね。
どことなく幼い感じもして愛らしいですね。
最後は食べられない頭の部分を吹き飛ばして、アクリルから離れて食事終了です。

この動画を見てあれ? と思った方はいますでしょうか。
イカの腕が何本あるか数えてみてください。

8本しか見当たりません。
残り2本の触腕は、目の下あたりのポケットにきれいに収納されているんです!
そのようすがこちら!
この写真は実体顕微鏡下でシリヤケイカの赤ちゃんを下から見たときのようすです。

触腕が収納されいているようすがわかりますでしょうか?

触腕にちょっと色を付けてみましょう。

(触腕部分に赤い線を付けました)(触腕部分に赤い線を付けました)

こんな感じで収納されています。

私はこのとき初めて触腕が収納されているようすを実際に見たため、衝撃を受けました。
腕の付け根に収納ポケットが存在することは知っていたのですが、どのように収納されているかは知らなかったため、実際に見ることができて非常にうれしかったです!

… 少し脱線してしまいました。
気が付いたら長くなってしまったので、今回はこの辺でおしまいにします。
どんどん大きくなるシリヤケイカの赤ちゃん、みなさんぜひ見に来てくださいね。

最後にもうひとつお気に入りの動画を載せますね。


個人的にこの表情が一番かわいいと思います。
いつもはぼんやりした表情に見えますが、狙いを定めるためにぐっと集中している表情に見えますね。
とってもかわいいです。

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