2025年05月24日
トリーター:加藤

まさかの新ペアなるか!?

ペンギン担当のトリーター日誌としてはヒナの成長を紹介したいところですが、その傍ら、最近いいかんじの2羽がいるので今回はそちらに注目します。

フンボルトペンギンの「ユイ」(左・オス)と「コメ」(右・メス)です。
2羽の距離、近いですよね。 あらまぁ いつのまに仲良くなったんだか。 この距離感はもう「つがい」のようなんですよ。

このまま見ていたところ、

こんな状況に。
「ユイ」が「コメ」にアプローチしています。 これは大変驚くべき事態なのです! 説明させてください!

まずは「コメ」について。
2021年に 新潟市水族館 マリンピア日本海 から “えのすい” にやってきました。
現在 11歳の「コメ」は繁殖に期待がかかっていますが、残念ながらいまだ相手が見つからず。 ベテラン石川トリーターに聞いてみたところ、これまで「コメ」はオスからアプローチを受けたことがないそうです。 以前は何度かマッチングを試みてオスと同居していたこともあります。 それでも相性の問題か、「コメ」にその気がないのか、うまくいきませんでした。 ということを私は聞いていたので、写真の光景を見た瞬間「えぇぇぇぇっ!?」とびっくりしました。

続いて「ユイ」について。
まだ1歳です。 そう1歳、もうアプローチをするとは!
若くしてなんと将来有望なのでしょう。 先輩の「イト」が2歳で「リリー」とペアになったのですが、「ユイ」はさらに若い。 正直なところ「ユイ」が相手探しをするのはまだまだ先のことだろうと思っていました。 だって好奇心の方が勝って遊び歩いているし、寝るときはいつも1羽で適当な場所ですし。

まさかの組み合わせに私は戸惑っていました(実際は「ユイ」が一方的に近寄っているようにも見えるんですが…)。 ではなぜこの2羽が急接近したのか。 ここ数日、夜の間は「コメ」と「ユイ」を裏のエリアに入れていました。 繁殖のためのペアリングが理由ではありません。 大きな声では言いにくいのですが、悪さをするので被害に遭ったペンギンから離したのです。

被害者その1
「チッチ」です。あろうことか、足腰が悪くて無防備な「チッチ」が泳いでいるときにつついたんですよ! 「チッチ」は驚いて私に助けを求めてくるんです。 そんなことやっちゃダメ! 反省してください!

被害者その2
「サニー」です。 こちらも高齢で足腰が悪く、なかなか身動きがとれないことがあります。 そんな「サニー」が陸場で休んでいるときにもつついたことがありました。それもやっちゃダメ! 年配ペンギンを敬いなさい!

ほかにもヒナがいる巣の周りをうろうろしていることもあり、私たちは目を光らせています。 興味があるのはとてもよくわかるんですけどね。 ヒナが巣の外に出てくるようになったこのタイミングは、なにかと騒ぎが起きかねません。
というわけで、あらかじめ要注意ペンギンである「コメ」と「ユイ」をお互いのためにも離しておこうとなりました。 2羽の急接近はこんな展開で起きた出来事です。

今は「チッチ」が裏の別エリア、ヒナと「サニー」の周囲には夜間だけバリケードを設置しています。 これでもう大丈夫、安心です。 このため「コメ」と「ユイ」はもう夜も展示エリアで過ごしているので、その後一緒にいるところを見かけなくなりました。

ところが、朝に私たちが扉を開けると、この2羽は裏のエリアに向かってきます。 実際ペアになるかはまだわかりませんが、今後の展開が気になる「コメ」と「ユイ」でした。

ペンギン・アザラシ

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