これから傘が必要になる季節ですね。 傘から連想される生き物といったら、クラゲやキノコでしょうか。
キノコもですが、クラゲの傘も、種類によって、形や色、模様など、さまざまです。
質感はどうでしょうか。 みなさんは、クラゲの傘は、つるつるぽよぽよだと思いますか。
実は、そうでないクラゲもいるんです。
先日、魚担当のトリーターが漁港に魚の引き取りに行って、クラゲも一緒に持って帰ってきたからと呼ばれました。
(以下、クラゲを見る前の会話)
「大きい?」
「大きいです。」
「スナイロ? いや、イボもありえるか。」
「いや、イボイボしていません。 ザラザラしています。」
「?? ザラザラ!? ヒゼンじゃない!?」
結果、傘の大きさが 40cmくらいの立派なヒゼンクラゲでした。
江の島でヒゼンクラゲが見られるのは珍しいです。“えのすい” で、野生個体を展示したのが 2008年だったので、17年ぶりです。
ただ、ほぼ拍動しておらず、傘も破けてしまっていたので、残念ながら展示には至りませんでした。 とても残念です。 もしかしたら、また出会えるチャンスがあるかもしれません。
みなさんにはお見せできなかったのですが、我々は裏でその質感に大興奮でした。
すれ違う人みんなに声をかけて、そのザラザラ感を共有しました。 例えるなら、猫の舌のような、クラゲとは思えない感触です。
クラゲだから、つるつるとは限りません。なかにはザラザラがいるんです。 ちなみに、エチゼンクラゲもザラザラです。
また、ぽよぽよとも限りません。思わず、かたっ! といってしまうクラゲもいます。 そのひとつが、キャノンボールジェリーです。
昨年開催した「えのすいのくらげ展」のときからお目見えしています赤茶色のキャノンボールジェリーが、今年も元気に育ち、ただいまクラゲファンタジーホール入口の円柱水槽で展示しています。
ぽこぽこ動く姿、丸いフォルム、傘の模様、色、とてもかわいらしいです。
でも、かたいです。 キャノンボールジェリーもですが、ヒゼンクラゲも食用クラゲです。 塩とミョウバンで加工するため、かたくしっかりしたものが食用にむいています。
みなさん、クラゲは、つるつるぽよぽよとは限りません。なかには、猫舌アンブレラもいるんです。