みなさんこんにちは! 新人ではなくなった獣医師の松田です。
気づけばもう5月も終わりそうですが、今回はこの春に変わったことのお話です。
新江ノ島水族館も会社の一部であり、世間一般の会社と同じく「予算」というものがあります。 その予算の中で、水族館を運営していくために必要な物品の購入や、設備の修繕などをおこなっています。
そして医療チームにも予算は割り当てられており、普段は検査費や薬品の購入に使用しているのですが、年度の初めには新たに必要となったものなどをまとめて購入しています。というわけで、この春から医療チームに仲間入りした「New Gear」の一部をご紹介します。
まずこちら、血液中に含まれるホルモンの濃度を測定することができる機械です。
当館の血液検査は基本的に外部の機関におこなってもらっており、繁殖で重要になるホルモン濃度の結果が返却されるのは少し時間がかかってしまいます。 しかし、この機械で検査をおこなえば、なんと採血してから約 30分後には結果がわかるスグレものなのです。 繁殖のシーズンなど、なるべく早く結果を知りたい! と思う場面ではたいへん重宝します。
つづいてこちら、私がなにかをのぞいていますが… 。
こちらは蛋白屈折計と呼ばれるものです。 当館では尿の比重、簡単に言うと、おしっこがきちんと濃縮されているか、ということを検査するために使っています。 比重がわかれば、腎臓に問題があるのか、それとも水分不足なのか、などの判別につながります。
これが先ほどの写真でのぞいた先に見えるものです。
水色と白色の境界が、右側の目盛りのどこにあるのかを読みます。 今回の尿比重は「1.038」だとわかります。
最後にご紹介するのはこちら、本です。 追加で何冊か購入しました。
こちらの本棚にあるのは主に獣医学の参考書で、犬や猫、エキゾチックアニマルの本が多いです。 水族館で飼育している生き物たちの獣医学的知識がまとまった本はなかなかなく、知見の多い小動物分野の情報を参考にしながら診療をしていくことが少なくありません。
これらの本の知識を頭に入れつつ、実際の現場の状況とすり合わせながら治療を進めていく… ということができるようにならねばいけません。
予算が下りるということは、それに見合ったはたらきをしてください、ということ。 そしてその予算は、もちろん水族館の売り上げからきています。 我々医療チームは生き物たちが元気な姿をみなさまにお見せしつづけるため、予防や治療をしています。 私もそこに貢献できるよう、今年度も精いっぱい頑張ります。
みなさんも何度でも“えのすい”に遊びに来て、生き物たちの魅力をたくさん見つけてくださいね!!!