タッチプールは、見るだけではなく触って嗅いで聞いて、五感を使って生物を知っていただく、非常に優れた展示形態です。味覚は、テイクホームメッセージということで後日にでもおうちでお確かめいただければ…。
本日は、タッチプールで楽しむための、100個くらいあるポイントの中からほんの少しご紹介します。
まずはタツナミガイ。
アメフラシに近い仲間ですね。
この種は触り心地がそのままおすすめなのですが、私のおすすめポイントはおしりの穴とうんちです。タツナミガイは海藻食なので、うんちは海藻をぎゅっと凝縮したような緑色をしています。ころっころなのがかわいいポイントです。
画像の白いところがおしり、ぽろっと出したばかりのころころのうんちが下に見えます。
うんちを出しているところが実際に見られるかどうかは運次第です。うんちだけに。
次はタッチプールの花形、ネコザメです。
顔の両サイドのえらがぱかぱか動いているので、呼吸をしているのがよく観察できます。サメは泳いでいないと死んでしまうというイメージがあるかも知れませんが、ネコザメのように自発的にえらを動かせるサメは泳ぎ続ける必要が無いのです。逆に、えらを動かせない種は、泳ぐことで能動的に海水をえらに通し、海水中の溶存酸素をえらで処理し呼吸をしている、というわけで、止まると呼吸ができず(えらに海水を通せず)、死んでしまうという原理なのです。
ちなみに魚の人工呼吸は、口から新鮮海水をじゃんじゃん流して、強制的にえらから酸素を取り込ませるんですよ。
そんな小難しい話はどうでも良くて、私のおすすめポイントは、居座っている場所です。
ネコザメは体に何かが触れていると安心する、もしくは岩場の隙間が安心するという習性から、だいたい端っこの方でじっとしています。
卵も岩の隙間にねじ込んで固定するように産むので、そのころの記憶が残っているのかもしれませんね、たぶんそれは無いと思いますけど。
仕切り板越しに口だけ出ていることが普通なので、隣のネコザメにかまれないように気を付けてくださいね。
ネコザメに噛まれるとどうなるのかというと、すぱっときれいに肉を切り裂かれるというより、ペンチでぎゅっとつねられるような感じです。ついでに鈍く切れますね。やはり歯は鋭いです。
こちらがネコザメの歯になります。
他のサメのように鋭利では無く、いぼいぼの臼歯状に見えます。ネコザメはサザエの殻をばりばりかみ砕くために、強靭な顎と、ごりごりとすり潰す系の歯を持っています。
真正面から見てみましょう。
この豚の鼻みたいなのと口と目と、全部かわいいですね。
タッチプールの側面にあるガラスから、タイミングが良ければ顔を見ることができるかもしれませんので確認してみてください。
※この写真撮影は、右手で支えて左手で撮っていますが、ストレスを与えないためにネコザメを微動だにさせずに抱き上げています。これは20年近く『うおゴコロ』や『えのすいトリーターとさかなたちのふれあいタイム』というショーの中で培ってきた、ネコザメとの信頼関係があるからこそできるふれ合い方です。
ネコザメのどこをどういじれば身をゆだねてくれるのか、ネコザメを知り尽くした私にしかできない技ですので、みなさん、絶対に真似しないでくださいね。
人差し指一本で、頭の後ろや背中側を優しくタッチしてください。
タッチプールの魅力はまだ 98個くらいありますので、また次の機会があればこちらでご紹介しますのでお楽しみに!