愛玩動物看護師の矢作です。
今回はご無沙汰しています、こちらのシリーズです。
獣医師でもなく、飼育スタッフでもない、水族館の「愛玩動物看護師」である私が、普段どんな仕事をしているのか、お話しします。
●各種検査のデータ整理
当館では、さまざまな種類の生き物において、日々いろいろな検査を実施しています。 健康チェックのための定期検査、病気の治療目的の検査、妊娠判定のための検査、死後の死因究明のための検査などがあります。
検査の種類も、血液検査、細胞診検査、超音波検査、レントゲン検査、内視鏡検査など多岐にわたります。
ゴマフアザラシ「ココ」の採血のようす検査をして、その時の結果が得られたら終わり、ではなく、それらの検査データを適切に保存し、整理しなければなりません。 例えば血液検査を実施すると、血液データが出てきます。 細胞診検査を実施する際は、顕微鏡で観察した検体の静止画と動画を保存しています。 超音波検査やレントゲン検査を実施すれば、それらも静止画と動画のデータとして残すことができます。
このように検査をすることによって得られるさまざまなデータを、個体と検査ごとに仕分けをして整理していく、一見地味ですがとても大切な業務の一つです。
ウミガメの超音波データ
フンボルトペンギンのレントゲンデータ
●ワクチン接種後のワッチ(観察)
えのすいのイルカたちは健康管理のため、定期的にワクチン接種をおこなっています。
ハズバンダリーでワクチン接種を実施しているカマイルカ「セブン」この時は、ベテラン獣医師とトレーナーたちに見守られながら、3人の担当者と亀谷獣医師にて無事にワクチン接種が完了しました。
人や愛玩動物(犬や猫など)と同様で、ワクチン接種後は、重篤な副反応が見られる可能性があります。 具体的には、ショックやアナフィラキシーなどです。
そのため、当館では、ワクチン接種後 15分は必ずワッチ(観察)者を付けて、ようすを観察することを決めています。
ワッチ(観察)のようすワッチ(観察)者は、記録用紙と時計を手に、ワクチン接種した個体の、遊泳、呼吸、目つきなどを観察し、特記事項があれば、記録します。 明らかな異常があった場合、すぐに対応できるよう、緊急薬などが入ったエマージェンシーBOXを近くに置いておきます。
この時の「セブン」はすぐに「クロス」と一緒に普段通り遊泳し、呼吸も安定していました。 15分後も特に問題なく、ワッチ(観察)は終了しました。
次回も乞うご期待!