2025年10月29日
トリーター:佐野

冬の“脚”音

少しずつ寒くなって、冬が近づいてきているのを感じます。
タッチプールでも寒い日には「手が冷たいから触りたくない…」という声がちらほら。
そんな方のために、きょうは見られたら楽しいタッチプールのお話を。

水温が下がってくると、貝殻を持ち歩くホンヤドカリが観察できるかもしれません。
「この貝殻は引っ越し用ですか?」と聞かれますが、実は中にメスのホンヤドカリがいます。運んでいるのはオスのホンヤドカリで、メスをほかのオスに取られないようにガードしています。
ヤドカリの交尾はメスが殻から出て、脱皮したタイミングでないと行われないため、その時が来るまで、こうしてメスを持ち歩き続けます。
その間に、ほかのオスがメスを奪いにやってくると、メスを持っていない方の大きな右のはさみ脚で闘います。
この前もなかなか激しく闘っていましたが、その間もメスを離さず、相手より一本少ないはさみ脚にもかかわらず、見事防衛を果たしていました。

ちなみに持ち上げても、手の上にのせても、決してメスを離すことはありませんでした。これから寒くなってくると、メスを持ち運ぶホンヤドカリが観察されやすくなるかと思います。
思わず目を引く光景です。

タッチプール

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