最近、相模湾大水槽に仲間入りした魚にチャイロマルハタというハタの仲間がいます。
以前にもえのすいで飼育していたことはありますが、どちらかというと南方に生息する種で、相模湾で見られるのはちょっと珍しいです。
それでも2019年以降、年に 1回入るくらいのペースで当館にやってきていたのですが、今回は少し間が空いて約 3年ぶりの搬入となりました。
チャイロマルハタについて改めて調べてみると、体側には暗いオレンジ色の斑点があり、それが瞳孔くらいの大きさであることが特徴のようです。
英名も Orange-spotted grouper といい、オレンジ色の斑点にちなんでいます。
では実際にどんな模様をしているかというと、こんな感じです。
チャイロマルハタなるほど確かに、やや暗いオレンジ色の斑点がたくさんあります。
ですが瞳孔大かと言われると・・この個体はそこまで大きくはないんじゃないかなぁー、と感じました。
図鑑やネットの写真を調べてみたところ、成長段階などの影響もあると思いますが瞳孔くらいの大きさの斑点を持つ個体も確認できます。
多くの生物にも共通していえることですが、模様や色彩には個体差があるものです。
そして大体どの図鑑にも、ヤイトハタとよく似ると書かれています。
すでに相模湾大水槽には 1匹だけ、ヤイトハタが暮らしています。
これは実物を見比べるチャンス!
ということでヤイトハタもじっくり観察してみました。

ヤイトハタ確かにチャイロマルハタと似ている…!
同じように体が斑点模様で覆われていますが、よく見ると斑点が黒色で大きさは瞳孔より小さいです。
体には細かい斑点がたくさんあって、その数自体もチャイロマルハタより多いです。
ちなみに最近はこの丸い窓の前でゴンズイのクリーニングを受けていることが多く、新たなお気に入りの場所ができたようです。
こうして見比べてみると、同じハタの仲間の中でもとりわけ似ている種なのが分かります。
斑点の色なんて遠目からではわからないよ、という方も多いと思います。
実際私も水槽の外からこの 2匹を探して、はじめは見分けに自信がありませんでした。
ですが最近はいつもいる場所やそれぞれの大きさが把握できたので、外からでも見分けられるようになってきました。
口を開けるチャイロマルハタチャイロマルハタは大抵、相模湾大水槽の一番奥まったところでじっとしています。
この写真を撮った時は口を開けていましたが、特に周りにクリーナーがいたわけでもないので、ホンソメワケベラがやって来てクリーニングしてくれるのを待っていたのかもしれません。
そして、今いる個体では、チャイロマルハタの方がヤイトハタよりも一回りくらい大きいです。
そんな特徴も踏まえてぜひ相模湾大水槽でチャイロマルハタとヤイトハタを探してみてください。