先日、とあるお客さまより、「色や模様のあるクラゲは、生まれたときからその色や模様があるのですか」といったご質問をいただきました。
当然、私たちは毎日バックヤードでクラゲを育てていますので、えのすいのクラゲたちがどのように成長していくのかは熟知しています。
ですが展示水槽にいるクラゲは基本的に、成長しきったあとのクラゲたち。
お客さまからしたら、小さいころはどんな姿なのか、想像がつかないのも無理はありません。
なるほど、どのようにお伝えしようかな、と頭の中でクラゲの姿を思い浮かべていたら、あのクラゲもこのクラゲも、成長の段階で色も模様も変化するものばかり。
改めてそのことに気づかされ、面白い質問だなと感じました。
ということで、普段あまりお見せしていない、クラゲの成長途中の姿をご紹介します。
まずはこちら、アカクラゲ。
アカクラゲご存じの方も多いはず、長い触手をもち、赤色と縞模様が特徴的なクラゲですよね。
では小さなころから見ていきましょう。
ポリプから遊離してきたばかりのエフィラ(いわゆるクラゲの赤ちゃん的な段階)は、赤みがかった褐色のような色をしています。

そこから傘が丸みをおびてクラゲらしい姿になってくると、なんと赤色が薄まります。傘の色は、ちょっと透明感のあるうすピンクのようになります。
縞模様もありません。

触手はおとなのクラゲと同じく、濃い赤色をしていますね。
1月終わりから 2月ごろに、漁港などでこうした小さいアカクラゲを採集できることがあります。ですが私も、初めて見た時には成体の姿と結びつかず、何のクラゲかよく分かりませんでした。
そうしてまた少し成長し、だいたい傘の直径が 5cm以上になると、縞模様が出てきます。

まだうっすら透明感がありますが、だんだん傘の色も濃くなっていきます。
赤 → 半透明 → 縞模様付きの赤
と、なぜずっと真っ赤なままでいないの?? と、ちょっと不思議に思います。
クラゲに限らず、成長の段階で色や模様が変化する生き物は海の中にたくさんいますが、そこには生き残るための戦略があったり、あるいはその結果として見た目に現れたりしているのでしょう。
他にも、最初は濃い褐色のエフィラで、成長するにつれてすこーしずつ色が薄くなって白っぽくなるアマクサクラゲ。
アマクサクラゲのエフィラ
おとなのアマクサクラゲ現在バックヤードでたくさん育成しているのですが、それらは薄茶色、くらいになってきました。
もう少し大きくなったらクラゲファンタジーホールの水槽いっぱいに展示したいです。
そのころにはどんな色味になっているでしょうか。
他にも、水玉模様が特徴的なタコクラゲなど。
この水玉模様も、ある程度成長してから出てきます。小さい頃は体全体が黄色っぽい色をしています。

色づいたり、模様が出てきたり。
それはクラゲがしっかり成長している証でもあるので、私たちにとってうれしい瞬間です。