きょうの主役は、深海Ⅱで飼育・展示中の“トリノアシ”です。
トリノアシは、その名の通り“鳥の脚”に見た目がそっくりなウミユリの仲間に属しているとても原始的なウニやヒトデの仲間です。
幹のように長い茎部の先に花のように広がった冠部があって、その中心には口があり、流れてくる懸濁物(けんだくぶつ)を花びらのように放射状に広がった腕と、腕に生えたとげのように見える羽枝でつかまえて食べています。
トリノアシ今回紹介したいことは、トリノアシは“動いて”、“歩く”という事です。
彼らは、自分の好きな場所を求めて歩いて移動しています。
茎部の節目にある巻枝を上手に使って、横に歩いたり、崖を登ったり、降りたりしています。
その要因は、光であったり、水の流れであったりとさまざまですが、特に強い光は嫌うようすで強く光が当たるとその場所から移動したり、悪い時は腕の一部を落としてしまうこともあります。
これまでの水中ドローンの調査から、トリノアシたちは崖のような岩場の先端にいることが分かっていて、その場所は崖の下や横からの流れがよく当たっていました。
深海Ⅱの飼育・展示水槽では、この棲息(せいそく)現場を参考に擬岩の形にこだわり、さらに下方から吹き上げるような流れを水槽手前と奥の2か所から作っています。
うまく循環水が噴き上がる場所に陣取った2個体のトリノアシは、あまり動くことが無く同じ場所にいますが、水槽の下にいる数個体は、場所を取り合うように居場所を変えています。
深海Ⅱ トリノアシ飼育・展示水槽朝出勤して来ると、きのうの閉館後とは違う場所にいたり、いつの間にか2~3個体が絡み合うようにしていたりと、動きはゆっくりですが日々変化が見られてとても面白いです。
・・・水槽の下の個体は、あまり良い場所が見つかっていないのかもですね。。。
トリノアシをじっくり観察してもらえたらうれしいです。
歩くところは見られなくても、腕をとてもゆっくりですが、しなやかに動かして、水槽の中に少しずつ落ちてくる餌を、腕と羽枝を使って捉えようと動かしているようすが見られると思います。
一見すると動かないように見える彼らでも、生きるためによりよい場所を求めて移動し、取り合いをしているんですね。
忙しい現代の中、時にはトリノアシのようにゆ~っくりと過ごしてみるのもよいのかもしれませんね。