2026年08月04日
トリーター:杉村

サツマハオリムシ、成長しています!

深海Ⅰ~JAMSTECとの共同研究~で飼育・展示をしているサツマハオリムシは、ちょっと変わった方法で鹿児島からえのすいにやって来ました。

2017年に水族館から鹿児島県に鯨骨を持ち込んで、鹿児島湾(錦江湾)の湾奥部にあるサツマハオリムシサイトに沈設しました。
そして 5年後の2022年、鯨骨に付着したサツマハオリムシを鯨骨ごと回収して、はるばるえのすいまで運び込んで、現在も飼育・展示を継続しています。

詳細は、こちら・・・2022年12月17日 南星丸 錦江湾生物採集航海(2)2日目(八巻)

サツマハオリムシは、自分で作った棲管(せいかん)という筒状の住処を作り、その中で生活して、時折、白いラッパ状の「蓋」とその周りにある赤いえらを出して、体のほんの一部ですがその姿を見せてくれます。
振動などにとても敏感で、刺激を受けると一瞬で棲管の中に引っ込んでしまいます。
このようすは水槽横に設置しているに小型モニターに、ファイバースコープを使って拡大してライブで映していますので、ぜひ観察してみてください。

ファイバースコープファイバースコープ

棲管の先端部分はラッパ状に広がり、薄く半透明です。これは、先端部分で棲管が作られていて、今も成長している証拠です。根元に行くにつれて色も濃くなり、厚く硬くなっていきます。
※硬いといっても、とても柔軟性に富んでいてしなやかです。

棲管の周囲に糸状のバクテリアのコロニーができてしまっているので、わかりにくくなっていますが、棲管の途中に黄色の細い結束バントがつけてあります。
この結束バンドの場所が、4年半ほど前に“えのすい”にやって来た時の棲管の先端部分です。

横から横から

黄色の結束バンドから先端部まで 1~ 2cmほどあります。
えのすいに来て 4年半のほどの間に、このサツマハオリムシは飼育水に添加した硫化ナトリウムや鯨骨から出た硫化水素を吸収して成長したことになります。
4年半でほんの数cmとは・・・

次の画像は、上から見た成長のようすですが、2022年の時には棲管の長さが既に10㎝程度ありました。
2017年に沈設してから、いつ鯨骨に付着したかは分かりませんが、少なくとも5年以内に付着して成長した長さになります。
飼育 4年半で 2cmなので、実環境下との成長差が見えてきます。
きっと成長に足りないものが、まだあるのだと思います。

2022年から2026年の成長のようす2022年から2026年の成長のようす

これを受けて、過去の実環境データの見直しをして、サツマハオリムシの飼育水槽の環境を改善したいと考えています。
あと数年後、この成長がどのように変化するかが楽しみです。
これからのサツマハオリムシの成長に注目してみてください。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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