2026年08月14日
トリーター:藤田

アミメハギの赤ちゃん成長中

みなさんこんにちは、藤田です。
夏休み真っただ中のお盆休みですね。台風の影響で最近の天気はくもりがちですが、それでも十分暑いので、水分&塩分をとって熱中症に気を付けましょう。

さて、少し前に何人かのトリーターたちが、バックヤードで繁殖に力を入れているえのすい生まれの魚を日誌で紹介していました。クサフグやハリセンボンなど、順調に育っている種もいれば、絶賛挑戦継続中の種もいます。
そんな中に混じって、実は私もささやかながら、バックヤードで密かに繁殖に挑戦している魚がいます。それがアミメハギです! 5月 17日生まれの個体なので、数日早いですが祝 3か月です!! めでたい! 大きさはまだ 1 cmほどですが、姿はすっかりアミメハギになりました!

アミメハギの赤ちゃん(全長約 1 cm)アミメハギの赤ちゃん(全長約 1 cm)

こちらの赤ちゃんは現在バックヤードで飼育していますが、成魚のアミメハギは 相模湾ゾーン 相模の海の水槽群 海岸水槽 アマモ場(以下アマモ水槽)で展示しています。アミメハギはカワハギなどと同じカワハギ科の魚類ですが、その大きさは 10 cmに満たないほどで、カワハギと比べるとかなり小型です。
そして、アミメハギはアマモの葉上や岩に生えた藻類の上などに卵を産み付けます。私は水槽内で産卵の瞬間を見たことはないのですが、産みつけた卵のお世話や保護をしている姿はアマモ水槽内でも頻繁に見かけます。卵を産む前には、産卵場所候補のチェックを欠かさないようで、アマモの葉の状態を吟味しているような動きもときどき観察されます。

アマモに産みつけた卵の世話をするアミメハギのメスアマモに産みつけた卵の世話をするアミメハギのメス紅藻に産みつけた卵の世話をするアミメハギのメス紅藻に産みつけた卵の世話をするアミメハギのメス

上の写真はそれぞれ別のアミメハギですが、アマモの葉や岩の上にあるたくさんの白いつぶつぶ、わかりますか? これが卵です。アマモの葉に産卵するときは、卵の上に重ねるように卵を産むので塊のように見えますが、岩肌など開けた場所に産卵するときは、薄く広げるように産みつけています。きちんと数えたことはありませんが、おそらく1,000粒以上はあるでしょうか。

アマモに産みつけられた卵を見つけたら、アマモごと切り取ってバックヤードに移動させ、その後はパンライトで飼育します。
孵化直前になると、移動の衝撃で未熟な状態のまま一気に孵化してしまい、そのまま死んでしまうことが多いので、早めの移動が肝心です。岩肌から剥がしてバックヤードで飼育したこともありましたが、剥がすときにダメージがあるのか、アマモごと移動させた卵より生存日数は短くなってしまいました。

バックヤードに移動させたアミメハギの卵バックヤードに移動させたアミメハギの卵

こんな感じでアマモの切れ端ごとパンライトに浮かべて、ぶくぶくしながらようすを見て、だいたい 1~ 2日で孵化します。アマモがあると、水流がほどよく当たる位置に卵を調整できるので、飼育する上では生存しやすくなるのかもしれません。
孵化したらエアーを弱めて、孵化後 2日目から餌としてワムシを与え始めます。

孵化後 1日目孵化後 1日目

写真の右上あたりにある白い小さな粒が、全部アミメハギの赤ちゃんです。これは誰に見せても大体「虫みたいだね」といわれます。

孵化後3日目(全長約 2mm)孵化後3日目(全長約 2mm)孵化後 16日目(全長約 3mm)孵化後 16日目(全長約 3mm)

顕微鏡で見てみると、成魚とはかなり姿かたちが違い、ここからハギをイメージするのは難しいのですが、少しずつ成長していきます。しかし、順調に成長しているように見えるかもしれませんが、実は産まれて 1か月も持たずに、ほとんどの仔魚は残念ながら死んでしまいます。なかなか 1か月から先に進むのが難しく、孵化したての頃たくさんいた仔魚は、日に日に半減、半減、どんどん減ってしまいます。
ところが現在、最初の写真の 1個体だけが 1か月を生き延び、2か月を乗り越え、初の3か月に突入しようとしているのです! きょうも生きているかな、元気に泳いでいるかな、と 5月から毎日気にしていたアミメハギなので、ここまで成長してくれて感動もひとしおです。

最近はアルテミアをよく食べるようになってきました。小さなおちょぼ口で一生懸命餌を吸い込んでいるのがかわいらしいです。

いつかみなさんに見ていただけるようになるまで、このまま大きく成長してくれればいいなと思います。そしてこの1個体だけでなく、えのすい生まれのアミメハギがもっと増えるよう飼育・繁殖頑張ります!

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