2026年10月22日
トリーター:杉村

江の島沖では常連種“アズマハナダイ”

深海Ⅱ~しんかい2000~の水中ドローン展示で、オレンジの体色に朱色のバンドがきれいな“アズマハナダイ”を飼育・展示しています。
アズマハナダイは、我々が水中ドローンを使って調査をしている江の島沖の水深120~200m付近ではとてもたくさん観察される魚類で、見ない時の無い常連種です。
岩盤の上の岩の隙間や障害物の影などに身を寄せて、縄張り意識が強く、同じハナダイ科のサクラダイなどのように、群れることがありません。
水中ドローンの観察でも、必ず広い岩盤の上に数十cmから 1mくらいの間隔で点在していています。
とても警戒心が強く、水中ドローンが近づくと、直ぐに岩陰に隠れてしまいます。

トリノアシとアズマハナダイ 江の島沖 水深131mトリノアシとアズマハナダイ 江の島沖 水深131m

現在は展示水槽で単独飼育をおこなっていますが、以前、隠れる場所をいくつか作って複数飼育を試みた時は、気が強すぎて体の大きな個体が水槽を占有してしまいました。
・・・顔つきは、よく見るとちょっと吻先(ふんさき)が尖っていて、気が強そうにも見えるかな・・・
展示水槽では少し照度を落としていますが、光が当たる場所ではオレンジと朱色がよく目立つ魚です。しかし、海中では水深が100m以上にもなると赤やオレンジの光は吸収されてしまって色を失ってしまいます。

調査ではいつも見ることができる種類なので、つい見過ごしがちですが、いろいろ調べてみると、その野生化での生態についての情報は断片的なものが多いようです。
生息している水深が100~200mということもあり、人が潜水するには深く、ROVで調べるには浅すぎる場所ということも関係していると思います。
そういった意味では、水中ドローンは最適な調査方法のようですね。

江の島沖 水深121m江の島沖 水深121m

水中ドローンで調査をおこなってきたことで、江の島沖の生き物たちのことが少しずつ分かってきました。
これからは、これまでの調査結果を元にして、種類を絞って調査をしていくことも進めていけたらと思っています。

きれいで、ちょっところっとした体形でかわいらしいけど、実は気の強いアズマハナダイに会いに来てくださいね。

RSS