みなさん、こんにちは!
なんだか急に寒くなってきましたね。 富士山の頂上付近に雪が積もっているのを見て、冬の訪れを感じています。
きょうは、最近 力を入れて取り組んでいることをお話していきます。
私は今、ダイビングショー「えのすいトリーターとさかなたちのふれあいタイム(ここではふれあいタイムとします)」のデビューに向けて練習しています。
ふれあいタイムは、トリーターと魚たちが一緒に遊んでいるようすを見ていただく、約7分間のダイビングショーです。
はじめのうちは、先輩ダイバーの動きを外から見たり、一緒に潜ってもらいながら、魚とのふれあい方を学んでいきました。 これまでも、相模湾大水槽に潜った時に、近づいてくる魚となんとなく遊んでみたり一緒に泳いでみたりすることはありましたが、いざ ふれあいタイムの練習を始めてみると思うようにはいきません。
魚とのふれあい方を教えてくれた山本トリーターと一緒に潜った時、私だけが餌箱を持って潜っていたのにもかかわらず、餌箱を持っていない山本トリーターの周りに魚たちが集まっていきました。
左側の山本トリーターの周りを泳いでいるツバメウオたちは、右側の私の方を向いたもののそっぽを向いてしまいました。 その間にも山本トリーターの周りには、ツバメウオたちが集まっています。
もう一度書き留めておきますが、山本トリーターは餌箱を持っていませんでした!!
まるで、魔法使いのようでした。 外で撮影していた別のスタッフも、思わず笑ってしまっていたようです。
ここで私は確信しました。 魚たちはダイバー(人)をよく見ている!
ただ餌を持っているだけで魚たちと遊んだり、ふれあえるわけではありません。 魚たちと信頼関係を築く必要があるのです。
魚たちは、ダイバーが不審な泳ぎ方や動きをすると、すぐに離れてしまいます。 練習を始めた頃の私は、やや不安定な泳ぎ方で魚たちに近づこうとしていました。
つまり、まずは、相模湾大水槽の中を自由に泳ぐことができるようにならなければなりません。 特に、中性浮力を取れるようになることが大切です。
中性浮力とは、水の中で浮力とダイバーの重力が釣り合って、体を動かさなくても浮いたり沈んだりしない状態のことを指します。 一般的なダイビングでも、中性浮力を取れるように! と言われます。
中性浮力は、安全に潜水するための重要なスキルです。 ただし一般的なダイビングと違い、相模湾大水槽で潜るときは、BCD(浮力調整具)を使わずに、肺の中の空気と重りの数で浮力調整をおこないます。
中性浮力を取れるようにするために、魚とのふれあいではなく、泳ぐことをメインに練習していきました。 使用するタンクの重さは、どのくらい空気が残っているかによって変化します。 空気ってそんなに重さがあるの? と思った方もいるかもしれませんが、空気が満タンに入っているタンクとあまり入っていないタンクでは、結構違います。
私は、空気が満タンに入っているタンクを使っているときは、重りを付けずに潜り、少ないときは、空気の量に応じて1~2kg分つけています。
以前は、体が浮いてしまったらどうしよう、という不安から重りを多くつけて沈んでしまいがちだったのですが、重りは少ない方が自由に泳ぐことができるということに気が付きました。
こうして、自由に中性浮力が取れるようになったところで、魚たちとの練習も本格的におこなっていきました。 実は、どの魚でも自由にふれあうことができるわけではないので、同じ種類の魚でも見分ける必要があることがあります。
ちなみにふれあうことができる魚には、「オマンジュウ」、「チルチル」、「フララ」… といったように愛称がついています。 何度か練習を重ねていく中で、それぞれの魚との信頼関係ができてきました。 特に顕著だったのは、ツバメウオの「フララ」です。
はじめはそっぽを向かれてしまい、悲しい想いをしていましたが、ある時から目が合うようになりました。 そして、人差し指を差し出すと、胸びれをぱたぱたと動かしてくれるようになりました!
わあい!うれしい!
人差し指に向かってくる、ツバメウオのフララこうして、できることが増えていく中で、次の壁にあたります。 先生や先輩方から水槽全体を使って! というアドバイスをいただきました。7分間同じような動き方をしていると単調になってしまい、見ているお客さまは飽きてきてしまいます。 そんな時、山本トリーターが普段こんな風に動いているよ! と一枚の紙を渡してくれました。
一枚の紙この紙には、それぞれの魚と動くときの水槽の使い方を表現してあります。
もちろん、魚のその時の気分にもよりますが、見ているお客さまに魚たちとトリーターの関係を見て楽しんでいただけるよう、工夫されていることが伝わります。
実際、先輩方のふれあいタイムを見学していると、
「こんな風に魚たちと泳ぎたいな~」、
「えー!魚の方からダイバーに近づいてる! こんなこともできるの?」
といった声をよく耳にします。
きっと、魚たちとダイバーが楽しんでいるのが伝わっているのだと思います。
こうした先輩ダイバーの技術も少しずつ取り入れられるようになりました。
しかし、まだ壁はあります。 今は給餌をおこなわずに、魚たちとふれあうことに挑戦しています。 給餌をせずに練習を始めてから、思うようにふれあうことができない魚もいます。 そんな想いが魚にも伝わっているようで、最近少し距離ができてしまったように感じます。
何かしら原因があると思うので、距離を縮めるためにこれまでの練習を振り返ってみたり、練習方法を変えて見たりと試行錯誤の日々です。
悩みごとは尽きませんが、一日でも早くみなさんにふれあいタイムを楽しんでいただけるよう、頑張ります!
相模湾大水槽で、ショー以外時間にダイバーが潜っていることがあります。
ショーの練習をしていることがありますので、ぜひ温かく見守っていただけるとうれしいです。