きょうは本航海の前半最後の潜航でした。
まずはじめに、シャトルエレベーター(覚えてますか? 9月27日に投入した、魚とりのトラップです)地点に向かい、魚がかかっているかどうか確認しましたが、残念ながらシャトルエレベーターのわなには魚はかかっておらず、採集できたのは小さなヨコエビ、クモヒトデ、巻貝のなかまでした。
もちろん、それはそれで、各研究者がてきぱきとそれぞれの目的に応じた処理してゆきます。
私たち 2人の仕事は、それら採集生物の飼育維持あるいは標本づくり、そしてリスト作りです。
シャトルエレベーターに取り付けた餌はほとんどなくなっており、餌袋にも穴が開けられていました。あとから映像を見ると、やはり大きなソコダラたちが何度もカメラの前を横切っていたので、なんともはや・・・。
シャトルエレベーターは、その後、おもりを切り離し、浮き球による浮力で自然に上昇してゆきます。だから、エレベーターなのですね。
その後、できる限りの生物採集を試み、潜航は無事に終了しました。
シャトルエレベーターの投入、そして、1本目、2本目の潜航の情報がうまくかみ合った好連携プレーのような、後味のよい最終潜航だったなと思います。水族館用の生き物が採れていたらもっとよかったのですが・・・。
海況も終始穏やかで、私は待ち時間に、周りの人を巻き込みながら、船尾でクラゲの採集をすることもできました。
[きょうの写真]
穏やかな海面からの、しんかい潜降開始(「ベント開」)
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)YK07-14「よこすか/しんかい6500」による千島海溝 深海生物調査採集潜航
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。