2008年03月26日

沼津 戸田(2)いざ沖へ出航!!! / 北田

  • 期間:2008年3月25日〜 2008年3月26日
  • 場所:沼津市戸田
  • 目的:深海生物採集
  • 担当:北田 ・ 伊藤


朝 2時50分起床
日の出が早くなってきましたが、さすがにこの時間はまだ真っ暗。さっそく漁師さんと待ち合わせの場所へ向かいます。
さほど寒くはなく風も無い。しかし、
「いつも荒れるときに来るね」
と、会って直ぐ漁師さんにいわれてしまった。ということは、沖は荒れているの?きょうも駄目?と、思っていたら「乗って」といわれ出航。

出航
よく聞いてみると遠まで行くのは海況が難しいそうだが、近くでは行えるそうなので漁はできるらしいです。
船が出るとしばらく作業は何もないので船室で仮眠をします。
6時頃、漁場へたどり着きました。
朝食をとった後、いよいよ網が海へ。
「今回は空振りではない」そう確信した私と伊藤は、笑顔でうなずきました。

30分くらいたった頃でしょうか、網が上がってきます。
袋のように萎んだ網には生き物がどっさり。
一番目だったのはサメです。直ぐにサメを樽に入れます。
その他、ユメカサゴやホウボウ、アオメエソなどが見られます。魚類以外にもメンダコやコシオリエビ、アカザエビ、ヤドカリやブンブク・・・ たくさんの生き物が上がってきます。

深海の命にいただきます
お昼には漁師さんから味噌汁をいただきました。
味噌汁の具は先ほど採れたコシオリエビやエビ、魚も入っています。
オオコシオリエビは普段“えのすい”で見ているものの、食べたことは無かったので、水槽ではなくお椀にいる姿には驚きでした。
エビカニの甘みのあるおいしい味噌汁でした。

下船
トロールは全部で 6回おこないました。
深度も 150m~ 450m前後とそれぞれ網を曳いた場所が違う為、採れた魚種もさまざまです。
中には山のようにブンブクが入った場所も。
サメは何処でも入り、しかも元気なため、“えのすい”への持ち帰りを試みます。
「このサメをどう持ち帰ろうか・・・ 」
気温が暖かくなった為、水温が上がるのも早くなってしまいます。
そこで、漁師さんに氷をたくさん分けてもらい、トラックの 1tタンクに入れ、水を冷やします。
サメやエビ、カニなどのたくさんの深海生物を乗せて約 3時間、“えのすい”へ戻ってきました。

そして、タカアシガニの水槽に泳ぐサメ、こちらが今回連れてきたサメです。
その他の生物も今後随時、情報を発信してゆきます。
お楽しみに!

網からあがったばかりの深海生物たち 網からあがったばかりの深海生物たち

お椀でコーヒーもいただきましたお椀でコーヒーもいただきました

深海味噌汁深海味噌汁

 ブンブク山 ブンブク山

展示したツノザメの一種展示したツノザメの一種

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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