2008年06月23日

沖縄トラフ(1)沖縄にて乗船

  • 期間:2008年6月23日〜 7月4日
  • 場所:沖縄トラフ
  • 目的:深海生物 調査採集
  • 担当:伊藤


みなさまお久しぶりです。魚類担当の伊藤です。
今回は私が当館を代表してJAMSTECと共同の深海調査に参加しています。

みなさんご存知のように、今沖縄の西側には台風があり、そのため海況が読み辛い状況です。
念のため、船は 24日朝の出航予定を切り上げて、本日 18時に台風の影響をかわすべく移動を始めました。
同乗者の中には、飛行機からぎりぎりセーフで滑り込んだ方や、那覇へと移動するための飛行機が欠航になり、いったん東京まで移動してから飛行機に乗ってきたという方もいました(ちなみに私は「とある理由」で前日に那覇入りしていました)。
そうまでして乗って得る価値のあるデータが、これからの航海で待ち構えています。

今回の調査の主目的は 2つです。
1つは深海の尾虫類(オタマジャクシのようなホヤの仲間)が作る巣(ハウスと呼ばれる)を構成する物質の成分を明らかにすることです。
この「海のオタマ」たちはフワッとした使い捨ての巣を作って自分の体を包んでいます。
巣には目の細かいザル状の部分(フィルター)があって、マイワシなど並のろ過食者も利用できないくらい細かい餌(一説には 0.03mmから 0.001mm以下のバクテリアサイズまで・・・!)でも、こし取って食べられるそうです。
また、この巣は目詰まりしたら次々と使い捨てられていきます。「古巣」はさまざまな物質を絡め取ったまま海底へ沈むため、深海へ表層の物質を運搬するエレベーターのような役割があるともいわれます。
そんな謎多き「海オタマ」の研究が進めば、この巣の成分から私たちにとって便利な素材がうまれるかもしれません。

2つ目の目的は次回ということで、まずは海が荒れないことを祈ります。

[きょうの写真]
上/「とある理由」ヒント写真、不思議な夜景
中/安全かかげて出航
下/大揺れに備えてしばりまくってある顕微鏡

(C)JAMSTEC(C)JAMSTEC

(C)JAMSTEC(C)JAMSTEC

(C)JAMSTEC(C)JAMSTEC


海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT08-12「なつしま/ハイパードルフィン」による沖縄トラフ 深海生物調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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