本日は鯨骨関係の最後の潜航がありました。
比較的浅い 270mと 500mに数日前沈めた鯨骨や丸太を見に行きました。果たしてどんな生物が集まっているのでしょうか。
現場に着いてみると、数日前と特に変わらぬ雰囲気、ですが・・・ 何か違和感あり・・・っなんと!鯨骨が無くなっているのです!丸ごとごっそりと。
ひとつ 10kg以上ある骨ですよ。
ハイパーで周辺を探索しましたが、見つかりません。
モニターを見ていたみなさんはしばし沈黙。
・・・ そういえば数日前、500m地点に鯨骨を設置したとたんにサメが集まってきたお話をしましたね。
あの時のサメはせいぜい 2m止まりで、骨のまわりをかじりはしても、丸ごと持っていく力はなさそうでした。
どうやら、この海域にはとんでもない怪物がいるのかもしれません。
今回調査に訪れた南西諸島海溝は研究があまり進んでいない未開地でもありますから、未知の生物がいたとしても不思議はないのです。
巨大魚か、大昔の生き残りか、巨大なカニの妖怪か、そんな生き物がいるのなら、いつか見てみたいものです。
もちろん今回も、いくつか貴重な生物も得ることができました。
あすは一転、沖縄本島の北部へ移動し、伊是名海穴の熱水噴出域にて「海オタマ」を調査します。
航海も折り返し地点、まだまだ面白いものと出会えそうです。
[きょうの写真]
上/消えた鯨骨(人が一個担ぐのがやっと)
下/500mにいたヤドカリ(イトマキヒタチオビを背負う)
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT08-12 「なつしま/ハイパードルフィン」による沖縄トラフ 深海生物調査航海
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。