2008年07月05日

沖縄マングローブ調査(3)マングローブは多様なジャングル

  • 期間:2008年6月22日〜7月6日
  • 場所:沖縄
  • 目的:琉球列島陸域生物調査
  • 担当:伊藤


石垣島2日目です。
きょうは石垣島でも大規模なマングローブを訪れることにしました。
バケツと網をかついで険しいヤブをこいで川に出ると、なんとも壮大なマングローブが広がっていました。
感動を通り越して、心揺さぶられる感じです!

ところでみなさん、マングローブというと、どんな場所を想像しますか?
おそらく、泥の浅瀬にヒルギがタコ足の根をおろすという景観ではないでしょうか。
これは正しいですが、全てではありません。
私が石垣島で見たマングローブはまさに「ジャングル」でした。
生い茂る植物の種類はヤエヤマヒルギ、アダン以外にも多様で、ヒルギのタコ足だけではく、垂れ下がった葉や細かい枝なども水中に複雑な構造を作り出しています。
そして、水中は勿論、水面から樹冠部まで余すことなく生物たちが利用しています。
マングローブを展示や写真などで紹介するときには、もっとも「らしい」水中部分だけではなく、水際や樹上の魅力も紹介したいと改めて思わされました。
「木登りカニ」を展示したいと思ったのもその想いがあってのことです。

さて、小難しいことはこのくらいにして、実際にそんなマングローブの生物を紹介してみます。
まず、マングローブの根元、やや陸の方をみると、泥の上にピンポン玉からこぶし大の穴が開いています。
この穴には、オオベンケイガニやオカガニといった地上性のやや大型のカニたちがいます。
また、本来水中だけにすむワタリガ二類も水の干満に適応して地上で活動できるようなものが見られます(ノコギリガザミやミナミベニツケガニ)。
ずーっと樹の上の方を見ていくと、枝葉に巻貝の仲間や塩分に強いキリギリスの仲間がたたずみ、それらを食べようと日本最大のオオジョロウグモが巣を張り、ヒルギハシリイワガニが物陰に潜んでいます。そんな彼らも間違って水中に落ちれば、水中で待ち構える大型のハゼなどに瞬時に飲まれてしまう・・・ とこんな具合でしょうか。

どこを見ても魅力的、それがマングローブです。
訪れるたびに新しい発見があります。
ぜひまた訪れたい、と心から思わされます。

マングローブの多様な植物マングローブの多様な植物

ノコギリガザミノコギリガザミ

葉裏のイロタマキビ葉裏のイロタマキビ

アダンでたたずむツユムシの仲間アダンでたたずむツユムシの仲間

巨大オオジョロウグモ巨大オオジョロウグモ

太平洋

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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