長崎丸に乗り込んで、きょうで2日目です。
起床と共に船の横揺れが襲ってきます。
船員さんの話だと、きょうは徐々に波が収まってくるとのことですが、海は相変わらず荒れてます。
本日は3回のビームトロール調査をおこないました。
1回目と2回目は五島列島と奄美大島のおよそ中間地点で、水深はそれぞれ 433mと 596mでした。
比較的近い地点に網を下ろしたのですが、主な採集生物はまったく異なり、1回目は多数のオオグソクムシやコシオリエビ類が、2回目はナマコ類が採集され、場所や水深が少し異なるだけで、こんなにも生物相が異なるのかと、驚かされます。
圧巻は本日3回目の調査でした。
奄美大島北西域での調査でしたが、水深 1017mまで網を沈めました。
そして上がってきた生物の中にひときわ目を引く黒っぽい塊がいくつも出てきました。
よく見るとそれはウニの仲間のブンブクです。
専門家にお尋ねすると、標準和名が「ウルトラブンブク」と呼ばれ、その大きさは直径で優に 15cmはある怪物です。
残念ながら 1000mの水深差を一気に引き上げられ、全て息絶えていました。とりあえず2個を標本用にと紙に包んで持ち帰ることとしました。
あすも異なる地点で3回のビームトロールが予定されています。
さてどんな奇異な生き物が上がってくるか楽しみです。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。