今朝早くに長崎丸は三重湾を出航し、現在は東シナ海を南西方向に進んでいます。
その間も波はどんどんと荒さを増しています。
乗船して直ぐに水槽をセットして海水を循環させ、一休みしたのもつかの間、あまりの揺れに固定したロープが緩み、100kg近い水槽がずれるほどです。
その後もときどきどこからか「ガラガラガシャーン!」という不吉な音が聞こえることが何度かあり、そのたびに水槽を確認に走る次第です。
そんな荒波にも負けず、本日1度目のビームトロール調査がおこなわれました。
以前参加したJAMSTECのハイパードルフィンやしんかい6500による採集と比べて、こちらは単純明快、多種多様な生物が1つの網にどっさりまとめて水揚げされます。
それを急いで海水で洗い、大学の先生や学生さんが手馴れた手つきで大まかな種類別に分別していきます。
私たち水族館関係者は、その作業に参加しつつ、比較的「活きの良さそうな」もしくは「復活しそうな」生物をすばやくピックアップして、セットした水槽へ移動させます。
本日は深海のカサゴことユメカサゴや、小さなヤモリザメ、チュウコシオリエビ、ギンエビスガイなどが主な成果となりました。
さて、あすは朝から3本続けて入網の予定です。波が穏かになってくれることを祈りたいと思います。
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。