2009年04月19日

伊豆 小笠原弧・北マリアナ諸島沖(14)4月19日(日) 晴れ 午後より強風
10日目 最終潜航 / 北嶋

  • 期間:2009年4月9日~2009年4月21日
  • 場所:伊豆・小笠原弧 明神海丘と北マリアナ諸島海域 日光海山
  • 目的:深海生物調査
  • 担当:根本 ・ 北嶋


本航海最後の潜航日です。
きょうは、明神海丘よりすこし南に戻って、いまから約100年前の噴火でできたという、比較的新しい海底火山のある「明神礁」で調査が行われました。
あまり潜航暦のある海域ではないため、新しい生き物が見つかるかもしれない、なんて期待を抱きつつ・・ 潜航開始!

ここは、いままでいくつも見てきたスモークがもくもく立ち上がるチムニーはみあたらず、ゆらゆら熱水が湧き出ているところがいくつかあった程度で、ほかはところどころに岩や礫が転がる砂地が延々と続いていました。
そんな熱水毒ガスがない深海には、深海魚がたくさん泳いでいました。
深海魚の本などを読むと「餌の乏しい深海で生きるためにこんな姿になりました!」なんて書いてあるので、深海魚はまれにしか見られないと思うかもしれませんが、違いました。
画面に映し出されたハイパーの映像は、1画面に3匹だとか、4匹。移動してもすぐ魚影が見えます。時々ヒオドシエビのような真っ赤なエビが画面を横切っていきます。

今回、じつは魚類分類学の大御所先生とご一緒でした。
わたしが映像では到底判断しかねる深海魚を、「これは、イトアナゴですね。」とか「あぁ、ソコダラの仲間ですね。」なんていとも簡単に見分けて教えてくださるから、映像をみてるのがとても面白かったです。
深海魚なんて図鑑で見てもほとんどが標本ですから、生きている姿をみると、「みんなおんなじ様な体型で、ヒレの動かし方も似ているな。」「こんなに近づいても気づかないんだ。」なんて発見もあり、じーっとずーっと見ていたい気分になっていました。

いつもより長めの1潜航。
終わってから、みんなで記念撮影をしました。

あすはいよいよ下船です。
長かった航海もあっという間。はじめは船酔いと戦いながら不安もいっぱいでしたが、調査チームも、なつしまの人たちも、みんなすごく雰囲気の良いメンバーで、初めての航海調査がNT09-05(航海No.)でほんと良かったです。
もうちょっとなつしまに乗っていたいかな、なんておもっちゃうくらい。
ありがとうございました!!

って、まだあしたがあるからいうのは早いか。

あしたは朝から下船準備や水族館へ深海生物を運ぶ大仕事があるから、今から気合をいれて、寝ます!

[きょうの写真]
クズアナゴ

(C)JAMSTEC(C)JAMSTEC


海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT09-05「なつしま/ハイパードルフィン」による伊豆 小笠原弧 明神海丘・北マリアナ諸島海域 日光海山 深海生物調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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