「私が海底を散歩していたら、突然前から眩しくて大きなものが迫ってきてびっくりしました。
その時私は、ただただ丸くなって石の真似をしていました。
えっ、石に見えませんか?
私たちの仲間はすぐ丸まる癖があるのですよ。
どうやら目の前から来た物は、ハイパードルフィンというJAMSTECの無人探査機で、私はハイビジョンカメラによってジーッと観察されていたようです。
私は珍しいのでしょうか?
親戚のビクニンは水族館でも人気と聞いています。
さぁカメラの向こうでは私を見てどう思っているのでしょう。
ちょっとあくびもしてみました。
恥ずかしくなってサンプルバスケットの下に顔を埋めるしぐさも・・・
でも、あまりに長く観察されてまぶしかったので、お尻を振って逃げました。」
“えのすい”ではサケビクニンを現在展示していますが、ビクニンやダンゴウオはその顔や仕草から常に人気があります。
水族館へ行けば展示期間中ならば必ず会えてしまいますが、このような調査ではいつ出会えるか分かりません。
ですから海底調査中でこのような生き物が出現すると、なお更みんなこの愛らしい顔に見入ってしまいます。
日本海でよく見られるゲンゲなども、よく見るとカバみたいな顔をしている種類もいますので、今度注目してみたらいかがでしょう・・・
あっ、きょうからハイパードルフィンによる潜航が始まりました。
[きょうの写真]
上/クサウオの一種の顔アップ
下/クサウオのかわいさにパソコンを打つ手を止める
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT09-16「なつしま/ハイパードルフィン」による富山湾オオグチボヤ調査航海
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。