本日の潜航は水深1,000mの海底。
水温もぐっと下がって 3.7℃。きのうの500mと比べ水温は半分以下、水中の酸素も下がっています。
そして 100気圧相当の水圧がかかるこの暗く冷たい世界にも、きのうと同じく木の丸太と動物の骨が設置してあります。
はたしてこの水深でもオアシスを作り出すことはできているのでしょうか!?
水深 1,000mの海底は、きのうの500mとほとんど変わり映えのしない一面砂地の砂漠状態でしたが、生物はがらりと変わりました。
水深 500mでは見られなかった真っ赤な泳ぐエビ、ヒオドシエビの仲間でしょうか?
そしてニョロニョロ細長く、頭としっぽの方が細いことが特徴のクズアナゴの仲間が泳いでいました。
設置した骨や丸太に到着すると、骨の上には白い丸っこいコシオリエビが数個体群がっていました。
小笠原の熱水域などで良く見るシンカイコシオリエビの仲間です。
小笠原ではポツポツと単独でいるイメージが強いシンカイコシオリエビですが、ここでは骨に集合していました。
何か好物が骨にあるのでしょうか?
そして骨からはニョロニョロと細い糸状のものが無数に生えていており、これはクジラの骨に特異的に生息するゴカイの仲間のホネクイハナムシの仲間の様です。
そしてその間をチヒロエビの仲間がチョコチョコ歩きまわっていたりと、 500mの海域と全くメンバーが変わっていました。
[きょうの写真]
シンカイコシオリエビの一種
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT10-07「なつしま/ハイパードルフィン」による南西諸島海溝深海生物調査航海
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。