2011年06月16日

初島~水曜海山(2)潜航開始 / 根本

  • 期間:2011年6月15日~2011年6月26日
  • 場所:相模湾・明神海丘・水曜海山
  • 目的:相模湾(初島沖)、伊豆小笠原孤(明神海丘、水曜海山)調査
  • 担当:杉村・根本


明神海丘でのJAMSTECの支援母船「なつしま」と無人探査機「ハイパードルフィン」を使った調査潜航が始まりました。

明神海丘は東京から約 500km程南に向かった海底にあります。

調査地点の水深は約 1300m。光もほとんど届かない真っ暗な世界。そしてその海底からは巨大なタケノコのような熱水噴出孔がニョキニョキ生え、時には 100℃を越える
熱水が湧いています。
そこはオアシスのように生物が集まっていて、特殊な生物たちが特殊な生態系を作って暮らしています。
そしてあるところでは活動を終えた熱水噴出孔が静かに並び、そこには、そこで熱水からでる硫化水素を嫌う生き物たちの営みがあります。
明神海丘の各場所にある熱水域を無人探査機「ハイパードルフィン」が飛び回るのは、まるで宿場町を転々と旅するような感覚に似ています。
熱水が湧く「宿場町」は、深海とは思えないほど賑やかです。
シチヨウシンカイヒバリガイという二枚貝や、ネッスイハナカゴというフジツボがビッシリと熱水噴出孔の周りに張り付き、その間をユノハナガニやオハラエビがチョロチョロト歩きまわり、陰ではさまざまな種類のゴカイ類や巻貝たちが暮らしています。
それぞれ好きな場所があるようで、すみ分けているような気もします。
そして熱水域ごとでもその賑やかさは違っていて、物凄い勢いで熱水が出ていても、周りに何もいなかったりすることもあります。
生き物たちはいったい何を感じて場所を選んでいるのでしょうか・・・?

それを見て、感じて、調べて、水槽内に環境を作ることが“えのすい”の目標です。
今回のメインのターゲットは、ユノハナガニとオハラエビ。
どうにか水槽内で繁殖が成功しないかなと思っています。
世界で最も浅く快適な熱水噴出域を作り出して、これらの生物の謎に迫りたいと思います。

(C)JAMSTEC(C)JAMSTEC


海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT11-09「なつしま/ハイパードルフィン」による相模湾(初島沖)、伊豆小笠原孤(明神海丘、水曜海山)調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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