航海7日目、いよいよ折り返しです。
きょうは、明神海丘に戻って外洋での潜航調査最終日。水曜海山に比べて、前線の影響でしょうか波も少しあり天気もいまいちですね。
今までは水平線が見えていたのに、きょうは靄で見えませんでした。残念。
明神海丘2回目の潜航です。
明神海丘はところどころにチムニーが形成され、熱水が噴出しています。
水曜海山に比べて熱水活動が緩やかな場所です。
生物たちは水曜海山と同様にシチヨウシンカヒバリガイやユノハナガニがよく見られます。
熱水を噴出するチムニー周辺の岩場は白いバクテリアマットで覆われ、その中をハイパードルフィンのカメラでズームアップすると、マットの中に小さな黄色い花が咲いています。
この花、実はゴカイの仲間のマリアナイトエラゴカイ(写真)なんです。
大きさは 5~ 10mm程度で、体の先には小さな花のような黄色いエラがふさふさしている何とも風変わりがゴカイです。
そして、ちょっと離れたところにはネッスイハナカゴの一種で深海性のフジツボが見られます。
深海にもフジツボがすんでいて、ちゃんと蔓脚(熊手のような脚)を動かしていました。
こうやって深海のようすをよく観察してみると、そこには貝がいて、カニがいて、ゴカイがいて、さらにフジツボがいる、なんだか私たちのすぐそばにある「磯」によく似ていますね。
磯にチムニーはありませんけどね・・・。
水族館でも同じような深海生物を飼育して毎日のように見ていますが、実際の生息環境で彼らを見てみるとまた違って見えますね。
やっぱり、現場は違いますね、毎日感動です。
あす22日は、横須賀に戻ります。
翌23日にはすぐに出航して、初島沖へ。
“えのすい”からもこの「なつしま」が見えるそうなので、探してみてください。
わたしも船上から“えのすい”を探してみます・・・
見えるかな?
浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら
どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。
打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。
浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。
どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT11-09「なつしま/ハイパードルフィン」による相模湾(初島沖)、伊豆小笠原孤(明神海丘、水曜海山)調査航海
新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。