2011年09月26日

沖縄トラフ(3)なつしま航海3日目

  • 期間:2011年9月24日~2011年9月27日
  • 場所:沖縄トラフ(伊平屋北海丘)
  • 目的:深海生物調査
  • 担当:杉村


本日航海3日目。
きょうも朝から曇り空。
やっぱり、うねり有りです。

きのうはコントロールルームのお話でしたが、きょうは私の船内での仕事についてお話ししますね。

私たち“えのすい”のスタッフは飼育係ですから当然主な業務は、研究用に採集されてきた深海生物たちを研究に使用できるように状態良く船上で飼育管理することです。
多くの研究者のみなさんは、なつしまの1Fにある通称3ラボと呼ばれる実験室で、それぞれのテーマに沿った実験研究をされています。
で、私の研究室?はというと、もっぱら2Fのデッキにあるコンテナラボと呼ばれるコンテナ室とPC作業をおこなう1Fの2ラボです。
今度のコンテナは、中に「低温室」(“えのすい”のバックヤードにもありますよ)が設置されています。
ここの室内は、常時 4℃です。
まあ、大きな冷蔵庫と思ってください。
深海生物たちの生活している場所は水温 4℃ですから、冷蔵庫が必要なわけです。
ということで、深海生物って冷蔵庫で飼育しているわけですね。
生き物を冷蔵庫で飼育ってなんか変な感じですね。
狭い室内に水槽を収納して、日に数度低温室の中でオーバーを着て換水作業に明け暮れます。
外の海水温度は 25℃以上ですから、1時間や2時間では換水用の海水は冷えませんので、時間を見計らって換水をおこなっています。
水の汚れ具合や水の冷え具合、さらには生き物の状態にも気を配らなくてはなりません。
これを揺れる船の上でやっています。
飼育管理の他には、航海日誌の作成や採集生物の記録作成、採集した海水の水質測定、潜航データの取りまとめ・・・ などなど1日めいっぱい動いています。
実は事務仕事も結構多いんですよ。
意外とやること多いでしょ。

私は今回も船酔いもなく快適な船上生活を送っておりますが、船の苦手な方にはキツイでしょうね。
今回はこれで下船してしまいますので、船上生活についてのお話は次回の航海日誌までお預けということで、どうかご勘弁を・・・ 。

きょうの航海はうねりがひどく予定の半分で切り上げられました。
どのくらいのうねりだったかは、公開した画像を見てください。
注目は船員さんの頭と水平線の位置ですよ!
写真は午前中のものですので、午後はこの1.5倍くらいにまでなり、ついでに雨まで降ってきました。
そんなこんなでもう調査航海は終了です、只今那覇へ向けて航行中!
短い航海でしたが、初めての沖縄航海ということで学ぶことも多く、また発見もたくさんありました。
この航海の成果を皆さんに伝えられるようにがんばっていきたいです。

間もなく、帰ります。
それでは、“えのすい”でお会いしましょう。

おっと、まだあしたがあったっけ・・・。

[きょうの写真]
うねりのようす

(C)JAMSTEC(C)JAMSTEC

(C)JAMSTEC(C)JAMSTEC


海洋研究開発機構(JAMSTEC)NT11-19JAMSTEC「なつしま/ハイパードルフィン」による沖縄トラフ深海生物調査航海

新江ノ島水族館は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と深海生物の長期飼育技術の開発に関する共同研究を行っています。

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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