2012年11月07日

豊潮丸~瀬戸内海(4)-11月7日 宇野港-

  • 期間:2012年11月4日~2012年11月8日
  • 場所:瀬戸内海
  • 目的:広島大「豊潮丸」瀬戸内海ヒクラゲ採集
  • 担当:足立


昨夜は、あれからヒクラゲはさっぱり現れず、朝を迎えました。
0と1ではえらい違いですが、ヒクラゲの展示は2tの水槽を予定しているので、ちょっと淋しい・・・ 。

きょうも日中は、9時過ぎから3地点で、ドレッジとそりネット、プランクトンネットでの採集をおこないました。
夕方5時半過ぎ、水中集魚灯をセットして、さあ、今夜がヒクラゲ採集最後のチャンスです。
私には、絶対に採れるという、説明不能な自信が満々です!

緑の海面をちらちらと注視しながら、他の方々のお仕事を見せていただきました。
きょうは食堂で、ギボシムシの講義が開かれていました(画像2)。
昼間採れた小さなクラゲを調べてもらったり(画像3)、その隣では採集されたコペポーダの中から、目的の種類をさがし出す作業をしていたり(画像4)、また、ドレッジで採れたユムシの体表についた汚れをきれいに掃除していたり(画像5)、釣り人をひやかしたり(画像6)しながら、待つこと6時間。
既に日付は変わって午前1時30分、ついにヒクラゲが現れました。
きのうのものと合わせて 2個体。
せめて 2個体持って帰れたらいいなと思っていたので、最低ラインはクリアという感じですが、私には、今夜はまだまだこれからという確信がなぜかありました。
2回ほど、網の届かないところに四角い白い物体が悠然と移動しているようすを目撃したあと、少し仮眠して再登場したのと同時に、
「ちょうど、2匹目が今まさに、とれたところです!」
と、広島大の学生さんが、水槽の中にヒクラゲを入れてくれているところでした。
これが3時55分。
網にくっついて切れてしまった触手も大事に採取する学生さん(画像7)。
その後も、私の採集成功確信は途切れることなく、6時半ごろ日の出を迎える前までに、5時20分、5時59分と、2匹を追加し、なんと最終日の成果は4個体という、好結果となりました(画像8)!

めでたしめでたし。






画像1 船尾からネットなどを曳いて作業中のしるし画像1 船尾からネットなどを曳いて作業中のしるし

画像2 ギボシムシの講義画像2 ギボシムシの講義

画像3 クラゲの検鏡画像3 クラゲの検鏡

画像4 コペポーダ検鏡中画像4 コペポーダ検鏡中

画像5 ユムシをきれいに画像5 ユムシをきれいに


広島大学「豊潮丸」よる大型クラゲ類及びアミ類の分布調査航海

クラゲファンタジーホール

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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