2014年12月14日

青森県・姉沼(2)雪の舞う中で貝探し

  • 期間:2014年11月30日~2014年12月2日
  • 場所:青森県東北町・姉沼
  • 目的:沼の生物の調査・研究
  • 担当:伊藤


朝目覚めると、外は大雪!私にはもちろん、初雪です。
ふんわりとした雪は、変ないい方ですが湿り気がなく、軽く手で握っても濡れないほどです。
体内に熱源をため込むべく、ホテルの朝食バイキングでドカンと食べて、いざ出発です。
きょうの目的はカラスガイの採集です。

イシガイ類の代名詞ともいえる本種ですが、いわゆる「本物」はあまり目にする機会もなく、その繁殖生態も不明な点が多いのです。冬に繁殖する種らしいのですが、昨年の12月と今年の4月には、幼生と稚貝も得られていません。今年こそはほんの少しでもとっかかりを得たいのです。

水温は約 7℃。水の濁りと大雪で視界がききません。足で沼底をかき混ぜながら「貝っぽい凹凸」を探って、水中に構えた網の中に蹴り入れることを繰り返し、地道に確認していきます。
採れるのは立派なイケチョウガイばかりで、特に貝殻が多く、カラスガイはなかなか採れません。夏の感じではほんの十数分で採れるだろうとタカを括っていましたが、これは嫌な予感がします。

「寒いので深く潜っているのかも知れませんね」と柿野先生。確かに、その可能性はあります。
焦りが出始めた頃、黒いイケチョウガイの中に青いライン輝くカラスガイ発見!この後もちまちまと 10個体ほどを見つけることができました。

2日にわたる調査もあっという間でした。実験用で余った魚と、柿野先生自家製のお味噌(何と大豆の種まきから作っています)をたんまりといただき、青森を後にしました。
夜の10時に水族館へ到着、長時間の輸送になり心配でしたが、どうやら魚は無事のようです。トリートメントを済ませ、とりあえず今回の出張完了です。これらの生物は調子を見て、展示できればと思っております。お楽しみに。

それでは、またどこかでお会いしましょう。


大雪の姉沼。眺めている分には幻想的。


ひたすら足の感触で貝を探す。


やっと見つけたカラスガイ。

浜で打ち上がっている野生動物をみつけたら

触ってもいいの?

どんな病気を持っているかわからないので、触らないようにしてください。

“えのすい”はなにをするの?

打ち上がった動物の種類や大きさ、性別などを調査しています。
さらに、種類によっては博物館や大学などと協力して、どんな病気を持っているのか、胃の中身を調べ何を食べていたのか、などの情報を集める研究をしています。

生きたまま打ち上がった生き物はどうなるの?

浜から沖の方へ戻したり、船で沖へ運んで放流するなど、自然にかえすことを第一優先にしています。

水族館で救護することはあるの?

どんな病気を持っているのかわからないので、隔離できる場所がある場合は救護することがあります。しかし、隔離する場所がない場合、さらに弱っていてそのまま野生にかえせないと判断した場合は、他の水族館や博物館と連携して救護することもあります。

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